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当て逃げはバレる? 罰則や点数は? 気づかなかった場合も罪? 弁護士が解説

更新日: / 公開日:
当て逃げは気づかなかった場合でも責任を問われる可能性があります (c)Getty Images
走行中の車が電柱、建物、ほかの車などに接触したにもかかわらず、警察に報告せず立ち去る「当て逃げ」は、民事上の損害賠償責任のみならず、刑事上や行政上でも厳しい処分が科される重大な違反行為です。 近年では、ドライブレコーダーや防犯カメラなどの普及により、当て逃げは発覚しやすくなっています。そのため、気づかなかった場合でも、場合によっては責任を問われる可能性があります。 万が一、当て逃げをしてしまったのであれば、適切な知識のもと、慌てず行動しましょう。弁護士の助けを借りれば、事案の適切な解決につながるとともに、精神的な負担も軽減されます。 当て逃げの発覚リスクや刑事上、行政上、民事上の責任、さらに当て逃げをしてしまった場合の適切な対応について、弁護士の立場からわかりやすく解説します。

目 次

1. 当て逃げは警察にバレる? 警察はどこまで調べる?

1-1. 当て逃げが警察に見つかる確率は? 警察はどんな捜査をする?

1-2. 当て逃げが警察にバレるケース

2. 当て逃げをした人が問われる法的責任

2-1. 刑事責任|犯罪として罰則が科される

2-2. 行政上の責任|違反点数が加算される

2-3. 民事責任|損害賠償責任を負う

3. 当て逃げに気づかなかった場合も罪に問われる?

4. 当て逃げをしてしまった人がすべき行動

4-1. 警察に連絡する

4-2. 保険会社に連絡する

4-3. 被害者に誠意をもって謝罪する

4-4. 弁護士に相談する

5. 当て逃げをした場合、相手の車の修理費や自分の車の修理費に保険は使える?

6. 当て逃げの時効はいつ?

6-1. 刑事責任の公訴時効

6-2. 民事責任の消滅時効

6-3. 時効を待つのはリスク大|弁護士に相談を

7. 当て逃げに関連してよくある質問

8. まとめ 当て逃げをした際は、警察や保険会社に連絡をし、弁護士へ相談を

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1. 当て逃げは警察にバレる? 警察はどこまで調べる?

「当て逃げ」とは、走行中の車が電柱、建物、ほかの車などに接触したにもかかわらず、警察に報告をせずにその場から走り去る行為を指します。本記事では、人に接触したにもかかわらず、警察に報告をせずにその場から走り去る「ひき逃げ」ではなく、物に対する当て逃げに対象を絞って解説していきます。

1-1. 当て逃げが警察に見つかる確率は? 警察はどんな捜査をする?

令和6年版犯罪白書」によると、ひき逃げの全体の検挙率は72.1%であるのに対し、重傷事故の検挙率は87.9%、死亡事故の検挙率は前年に発生した事故についての検挙も含めて102.4%となっています。

当て逃げについては集計されておらず、正確な件数は不明ですが、一般論として人命に関わる重大事件のほうが多くの人員を捜査に割く傾向にあるため、死傷者がいない物損事故である当て逃げについては、重傷事故や死亡事故より検挙率は低いと考えられます。

しかし、だからと言って当て逃げがバレにくいわけではありません。

当て逃げがあった場合、警察はドライブレコーダーや近隣施設、道路沿いなどに設置された防犯カメラの映像を解析し、加害者を特定します。また、目撃者がいる場合は事情聴取を行い、そこで得た情報を手がかりとして車両や加害者を特定します。

1-2. 当て逃げが警察にバレるケース

当て逃げが警察に発覚するケースとしては、主に以下の5点が挙げられます。

【防犯カメラの映像】
駐車場や道路沿いに設置されたカメラの映像で車両や運転者が判明する

【ドライブレコーダーの映像】
被害者の車のドライブレコーダーに事故の瞬間が録画されている

【目撃者の通報】
事故現場を目撃した人が車の特徴やナンバーを通報する

【車体の損傷や塗料痕】
事故現場に残された車体の破片や塗料の色を分析して車種や年式を絞り込み、車が特定される

【修理工場からの通報】
修理業者が車の不自然な損傷を発見し、警察に通報する

2. 当て逃げをした人が問われる法的責任

当て逃げをした人が問われる法的責任は、主に以下があります。

2-1. 刑事責任|犯罪として罰則が科される

物損事故を起こした場合、運転者は運転を停止して道路の危険を防止する措置を講じる「危険防止措置義務」と、警察に事故を報告する「報告義務」を負います(道路交通法第72条)。

当て逃げは、これらの道路交通法上の義務に違反します。危険防止措置義務違反については1年以下の懲役または10万円以下の罰金、報告義務違反については3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性があります。

2-2. 行政上の責任|違反点数が加算される

当て逃げは行政上の責任も負います。危険防止措置義務に違反した場合は5点、安全運転義務に違反した場合は2点の交通違反点数が加算されます。6点以上の違反は免許停止処分となります。そのため過去に違反点数の累積があった場合は免許停止になる可能性があります。

2-3. 民事責任|損害賠償責任を負う

当て逃げにより被害者に損害が生じた場合、加害者は被害者の損害を賠償しなければなりません。主な損害項目は以下のとおりです。

【修理費】
被害者の車や電柱、ガードレールなど、損傷した物の修理にかかる費用

【代車費用】
車の修理中に代わりの車を利用した場合の費用

【休車損害】
タクシーやバスなどの営業車が被害を受けた場合、営業ができないために失われる損害

【積載物の費用】
車に積んでいる商品が損傷した場合の商品の費用

【評価損】
車の損傷や修復歴によって市場価格が下落した場合の損害

これらの損害については、被害者と当事者同士による示談交渉を行い、賠償します。示談交渉がまとまらない場合は、裁判で決着をつけることもあります。

3. 当て逃げに気づかなかった場合も罪に問われる?

報告義務違反や危険防止措置義務違反は、事故に気づいていたことが前提となるため、当て逃げに気づかなかった場合は罪には問われません

つまり、本当に事故や接触に気づかなかった場合は、原則として刑事責任は発生しません。ただし、衝撃や音が大きく、通常の運転者なら気づく状況であれば、事実認定として「気づいていた」と判断される可能性があります。

また、刑事責任がなくても、民事上の損害賠償責任は過失でも成立します。刑事上の責任を免れても、修理費などの賠償義務が残る点には注意が必要です。

4. 当て逃げをしてしまった人がすべき行動

当て逃げをした人は、以下のような行動をとるようにしてください。

  • 警察に連絡する

  • 保険会社に連絡する

  • 被害者に誠意をもって謝罪する

  • 弁護士に相談する

4-1. 警察に連絡する

事故を起こし、それに気づかずに逃げてしまった場合でも、気づいた時点で速やかに警察に連絡すれば、報告義務違反の責任は問われにくくなります。

気づいていながら逃げてしまった場合でも、できるだけ早く警察に連絡してください。自首扱いとなったり、悪質ではないと判断されたりした場合は、重い処罰を免れられます

4-2. 保険会社に連絡する

被害者に損害賠償をしなければならない可能性があるため、自分が加入している任意保険会社にも速やかに報告しましょう。報告が遅れると保険金が支払われない可能性があるので注意が必要です。

保険会社は被害者に連絡をとり、示談交渉をしてくれます。

4-3. 被害者に誠意をもって謝罪する

被害者の怒りを和らげるためにも、誠意をもった謝罪は不可欠です。直接会えない場合は、書面や電話で誠意を伝えるようにしましょう。

4-4. 弁護士に相談する

当て逃げに伴う責任に適切に対処するためには、弁護士への相談が不可欠です。

刑事事件に関しては、処分を軽減するための自首のサポート、警察での取り調べの対応方法のアドバイス、刑事裁判手続きの対応などについて相談や依頼ができます。

また、民事事件に関しては、適切な賠償内容の相談や示談交渉の代理などを依頼できます。

法律の専門家である弁護士に相談や依頼をすることで、事案を適切に解決するだけではなく、精神的な負担も軽減されるでしょう。

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5. 当て逃げをした場合、相手の車の修理費や自分の車の修理費に保険は使える?

当て逃げをした場合でも、対物賠償保険に加入していれば、相手の車の修理費に保険を使って賠償することが可能です。対物賠償とは、契約車両の事故によって他人の車、あるいは壁や電柱などを壊してしまった場合に、法律上の損害賠償責任を補償する保険です。

対物賠償保険を利用するには、事故後すぐに保険会社へ連絡することが条件です。事故から一定期間が過ぎた場合、保険が利用できないことがあります。

また、自分の車の修理費については、車両保険に加入していれば保険を利用して補償が受けられます。

ただし、保険契約の内容によっては、当て逃げを理由に免責になる場合もあるため、保険会社に契約内容を確認してください。

6. 当て逃げの時効はいつ?

当て逃げには刑事責任の公訴時効と民事責任の消滅時効があり、一定期間が経過すると原則として責任を問われなくなります。ただし、その起算点や期間には差があり、時効完成までのリスクも軽視できません。

6-1. 刑事責任の公訴時効

当て逃げに関する罪の公訴時効は3年です。公訴時効の起算点は、犯罪行為が終わったとき、すなわち事故を起こして現場から立ち去った時点です。

また、刑事時効が完成しても、民事責任は残る場合があるため、刑事時効の成立が完全な免責を意味するわけではありません。

6-2. 民事責任の消滅時効

民事上の損害賠償請求権は、被害者が損害および加害者を知ったときから3年で時効にかかります。また、加害者を特定できないままでも、事故発生から20年が経過すると請求権は時効で消滅します。

なお、時効が完成する前に訴訟提起などがあった場合は、時効は完成しません。

6-3. 時効を待つのはリスク大|弁護士に相談を

「3年逃げ切れば時効」と考え、何もしないままでいるのは非常にハイリスクです。

防犯カメラやドライブレコーダーの普及により、事故から相当の時間が経ってから加害車両が特定されるケースもあります。

また、時効成立前に発覚すれば、逃げていた事実が不利に評価され、刑事処分が重くなる可能性があります。

早期に弁護士へ相談すれば、被害者への謝罪や示談成立によって不起訴処分をめざせる可能性があります。時効を期待せず、発覚前や発覚直後の段階で弁護士に相談するようにしてください

7. 当て逃げに関連してよくある質問

Q. 当て逃げが警察に見つかるまでの期間は?

当て逃げが警察に見つかるまでの期間は、防犯カメラやドライブレコーダーの映像といった証拠の有無によって異なります。

証拠が少ない場合は特定までに長期間を要するケースもありますが、映像にナンバーが映っている場合は数日で特定される可能性があります。

Q. 当て逃げで逮捕される可能性はある?

当て逃げでも、状況によっては逮捕される可能性があります。特に被害が大きい場合や悪質な場合、逃亡のおそれがあると判断された場合などです。

人身事故に比べると逮捕の可能性は低いですが、楽観せず弁護士に相談しましょう。

Q. 当て逃げで前科はつく?

当て逃げで有罪判決を受けると、前科がつきます。前科は記録に残り、今後、類似の事故を起こすと、より厳しい処罰を受ける可能性もあるため、早期の示談や弁護士対応が重要です。

Q. 当て逃げは会社や家族にバレる?

逮捕された場合は、出勤できない状況や警察からの連絡によって会社や家族に知られる可能性があります。

逮捕されて生活に支障が出ないためにも、弁護士への相談が望ましいです。

Q. 当て逃げを警察に連絡せず、当事者間の示談で解決できる?

事故を起こした場合は警察への報告義務があります。当事者間で示談をしても、報告義務がなくなるわけではありません

違反すると刑事処分や行政処分の対象になる可能性があるため、必ず警察に報告してください。

Q. 当て逃げによる車の傷が小さくても、警察への連絡は必要?

傷の大小にかかわらず、事故が発生した場合は警察に連絡しなければなりません。自己判断で連絡しないと違反となり、罰則や点数加算の対象になります。

8. まとめ 当て逃げをした際は、警察や保険会社に連絡をし、弁護士へ相談を

当て逃げは民事上の損害賠償責任だけでなく、刑事上や行政上でも厳しい処分が科される重大な違反行為です。「見つからなければ大丈夫」と思いがちですが、ドライブレコーダーや防犯カメラの映像などから発覚するリスクが高く、事故に気づかなかった場合でも、責任が問われる可能性があります。

当て逃げをしてしまった場合は、警察や保険会社に連絡をし、被害者に誠意をもって謝罪するなど、適切な対応をする必要があります。そして一人で悩まず、専門家である弁護士への相談をお勧めします。

弁護士なら警察対応のアドバイスや被害者との示談交渉まで、的確にサポートしてくれるでしょう。

(記事は2025年10月1日時点の情報にもとづいています)

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この記事を書いた人

森本禎(弁護士)

森本禎(弁護士)

弁護士法人A&P 瀧井総合法律事務所 弁護士
大阪弁護士会所属。登録番号55349。債務整理、交通事故を主軸とし、一般民事事件を幅広く取り扱っている。交通事故案件では、被害者側・加害者側いずれからの依頼にも対応している。被害者側では適正な損害賠償の獲得を、加害者側では刑事処分や民事賠償への適切な対応を通じて、依頼者の精神的・経済的負担を軽減できるよう努めている。保険会社や相手方との示談交渉では、相手の主張をふまえつつも依頼者の事情や思いを丁寧にくみ取り、納得のいく解決に至るまで粘り強く交渉している。趣味は、食べ歩き。
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