交通事故トラブルに強い弁護士を探す

交通事故問題の解決をサポート
交通事故に強い弁護士が見つかるポータルサイト

事故相手に損害賠償の支払い能力がない場合の対処法 泣き寝入りを防ぐために

更新日: / 公開日:
交通事故の加害者に支払い能力がない場合、別の方法で賠償金を求める必要があります(c)Getty Images
交通事故の被害者は、加害者に対して損害賠償を請求できます。しかし、加害者が任意保険に加入しておらず、お金もほとんど持っていない場合には、賠償金全額を回収することは難しいでしょう。 「それなら泣き寝入りするしかないのか?」というと、そうとは限りません。加害者に支払い能力がなくても、分割払いや差し押さえ、政府保障事業の利用などにより、一定の損害賠償(補償)を受けられる可能性があります。弁護士のアドバイスを受けながら、できる限り損害を回復できるように対応してください。 交通事故の加害者に支払い能力がない場合の対処法や、賠償金請求のポイントなどを弁護士が解説します。

目 次

1. 加害者に支払い能力がなくても、損害賠償(補償)を受ける方法はある

2. 交通事故の損害賠償を支払うのは誰?

2-1. 加害者本人|不法行為に基づく損害賠償責任

2-2. 自動車の所有者など|運行供用者責任、社用車などの場合

2-3. 保険会社|加害者などが保険に加入している場合

3. 交通事故の加害者が損害賠償を支払えないケース

4. 交通事故の相手方に損害賠償の支払い能力がない場合の対処法

4-1. 自賠責保険の保険金を請求する

4-2. 加害者本人に分割払いで請求する

4-3. 加害者に財産がある場合、財産を差し押さえる

4-4. 自分の自動車保険から補償を受ける

4-5. 政府保障事業を利用する

4-6. 労災保険給付を請求する

5. 支払い能力がない相手に、交通事故の損害賠償を請求する際のポイント

5-1. 公正証書を作成して、強制執行ができるようにする

5-2. 支払いが滞ったら遅延損害金も請求する

6. 交通事故の損害賠償請求について、弁護士に相談・依頼するメリット

6-1. 損害賠償の適正額が分かり、増額が期待できる

6-2. 示談交渉などを任せて、労力やストレスを軽減できる

6-3. 加害者の支払い能力がない場合の対処法もアドバイスしてもらえる

7. 交通事故の相手方が自己破産をしたら、損害賠償の支払い義務はなくなる?

8. 交通事故の損害賠償の支払い能力がない場合についてよくある質問

9. まとめ|支払い能力がない交通事故加害者への損害賠償請求は、まず弁護士に相談を

今すぐ電話できる!無料相談OK事務所も!

朝日新聞社運営「交通事故の羅針盤」で

交通事故トラブルに強い弁護士を探す

朝日新聞社運営 「交通事故の羅針盤」

交通事故トラブルに強い
弁護士を探す

1. 加害者に支払い能力がなくても、損害賠償(補償)を受ける方法はある

交通事故の被害者は、加害者に対して治療費・休業損害・慰謝料などの損害賠償を請求できます。しかし、加害者が任意保険に加入しておらず、本人もお金をほとんど持っていない場合、通常の損害賠償請求だけでは十分な補償を受けられないことがあります。

もっとも、そのような状況でも被害者が泣き寝入りする必要はありません。加害者に支払い能力がなくても、被害者が一定の補償を受けられる制度が用意されています。「4. 交通事故の相手方に損害賠償の支払い能力がない場合の対処法」を参考にしつつ、弁護士のアドバイスを受けながら対応することが大切です。

2. 交通事故の損害賠償を支払うのは誰?

交通事故の損害賠償を支払う義務を負うのは、主に以下の者です。

  • 加害者本人

  • 自動車の所有者など

  • 保険会社

2-1. 加害者本人|不法行為に基づく損害賠償責任

交通事故の損害賠償責任は、原則として運転者である加害者本人が負います。過失によって交通事故を起こしたことは不法行為に当たり、加害者は被害者に生じた損害を賠償しなければなりません。

2-2. 自動車の所有者など|運行供用者責任、社用車などの場合

交通事故によって他人の生命または身体が害されたときは、運転者のほかに「運行供用者」も損害賠償責任を負います。運行供用者とは、自己のために自動車を運行の用に供する運転者以外の者です。たとえば、以下の者などが運行供用者に当たります。

  • 知人に頼まれて、自分の車を貸していた所有者

  • 従業員に社用車を使わせて業務をさせていた会社

  • レンタカーを貸し出していたレンタカー会社

なお、運行供用者責任の対象となるのは人身損害(けが・後遺症・死亡)に限られています。物損(車の修理費など)は対象外で、運行供用者に対して物損の賠償を請求することはできません

2-3. 保険会社|加害者などが保険に加入している場合

加害者や運行供用者が保険に加入している場合は、保険会社が被害者に対して損害賠償に相当する保険金を支払います。

交通事故の損害賠償責任をカバーする保険は「自賠責保険」と「任意保険」の2つに大別されます。

【自賠責保険】
交通事故の被害者に対して最低限の補償を提供する保険です。自動車を運行させる者に対して加入が義務付けられています。自賠責保険によって補償されるのは人身損害のみで、物損は補償されません

【任意保険】
自動車の運転者や運行供用者が任意で加入する保険です。自賠責保険では補償されない損害も補償されます。人身損害に加えて、物損も補償されるのが一般的です。

3. 交通事故の加害者が損害賠償を支払えないケース

交通事故の賠償金額は、軽傷の場合でも100万円を超えるケースが多く、後遺症が残った場合や死亡した場合には数千万円以上に及ぶことも珍しくありません。加害者が自力で賠償金を支払えるケースは、現実にはほとんどないといってもいいでしょう。

加害者が任意保険に加入していれば、保険会社から損害賠償に相当する保険金が支払われます。しかし、加害者が任意保険に加入していない場合や、任意保険の補償限度額を超える場合には、被害者の損害が十分に補填されません

このようなケースで被害者が事故による損害の補償を受けるためには、通常の損害賠償請求以外の方法を検討する必要があります。

4. 交通事故の相手方に損害賠償の支払い能力がない場合の対処法

交通事故の相手方が任意保険に加入しておらず、かつ賠償金を支払えるだけの資力がない場合でも、被害者が補償を受けるための手段はいくつか用意されています。状況に応じて、以下の方法を検討してください。

  • 自賠責保険の保険金を請求する

  • 加害者本人に分割払いで請求する

  • 加害者に財産がある場合、財産を差し押さえる

  • 自分の自動車保険から補償を受ける

  • 政府保障事業を利用する

  • 労災保険給付を請求する

4-1. 自賠責保険の保険金を請求する

自動車を運行させる者には自賠責保険への加入が義務付けられています。交通事故の相手方が任意保険に加入していなくても、自賠責保険には加入しているケースが大半です。

自賠責保険では、事故による損害の全額ではないものの、かなりの部分まで補償されます。自動車安全運転センターから交通事故証明書の交付を受け、そこに記載されている保険会社に対して自賠責保険の保険金を請求しましょう。

4-2. 加害者本人に分割払いで請求する

自賠責保険では補償されない部分については、加害者本人に対して賠償請求を行います。

加害者が一括での支払いが難しい場合には、分割払いで支払いを受けることが考えられます。その際は、必ず書面で合意書を作成しましょう。合意書を公正証書として作成しておけば、不払いが生じた際には直ちに強制執行を申し立てることが可能です。

4-3. 加害者に財産がある場合、財産を差し押さえる

加害者が「お金がない」と主張していても、実際に財産がないかどうかは調査してみなければ分かりません。疑念がある場合は、弁護士に調査を依頼することをおすすめします。

確定判決や公正証書などがあれば、民事執行法に基づく「財産開示手続」や「第三者からの情報取得手続」によって、加害者の財産を調べることができます。不動産や預貯金などの財産が判明したら、強制執行を申し立てれば、その財産を差し押さえて強制的に賠償金を回収できます

確定判決や公正証書などがない場合は、調査の方法が限られますが、もし加害者の財産が判明したら仮差し押さえの申立てを検討しましょう。裁判所によって仮差し押さえが行われると、対象となる財産の処分が禁止され、訴訟で勝訴した際にその財産から賠償金を回収することができます

4-4. 自分の自動車保険から補償を受ける

被害者自身が加入している任意保険に以下の内容が含まれている場合は、加害者側から賠償を受けられない損害について補償を受けられることがあります。

人身傷害保険・搭乗者傷害保険:交通事故に起因するけが・後遺症・死亡に関する損害が補償されます。

車両保険:交通事故によって車両が壊れた場合に、修理費などの損害が補償されます。

どのような補償が受けられるかについては、保険会社に問い合わせてください。

4-5. 政府保障事業を利用する

まれに、加害者が自賠責保険にすら加入していないケースもあります。この場合、自賠責保険からの補償は受けられません。

しかし、そのような場合でも、被害者は「政府保障事業」を利用できます。政府保障事業は、無保険車による事故などの被害者を救済するため、自賠責保険と同等の補償を行うものです。

政府保障事業の請求は、損害保険会社や共済組合の各支店等の窓口で受け付けています。

4-6. 労災保険給付を請求する

業務中または通勤中に交通事故に遭った被害者は、労災保険給付を受給できます。労災保険給付は、労災によって労働者が受けた損害を補償するものです。けがの治療費や休業損害、後遺症による逸失利益などが補償されます。

労災保険給付を受給するためには、給付の種類に応じた請求書と添付書類を労働基準監督署に提出します。手続きが分からなければ、労働基準監督署の窓口に問い合わせるか、弁護士に相談してください。

なお、労災病院や労災保険指定医療機関では、その医療機関の窓口に請求書を提出すれば無償で治療を受けられます。

労災保険給付と自賠責保険(または政府保障事業)を併用すれば、交通事故による損害について相当程度の補償を受けることができます。ただし、重複する補償は二重取りができず、支給調整が行われるケースがある点には留意しましょう。

損害賠償・慰謝料の相談ができる弁護士をお探しなら

朝日新聞社運営「交通事故の羅針盤」

初回無料
相談あり

交通事故トラブルが得意な
弁護士

エリアで
探せる
初回無料相談あり
交通事故トラブルが得意な弁護士
エリアで探せる

5. 支払い能力がない相手に、交通事故の損害賠償を請求する際のポイント

自賠責保険や政府保障事業などによる補償を受けたうえで、まだ残っている損害については加害者本人に賠償を請求できます。加害者がお金を持っていない場合は、分割払いで支払わせることが考えられますが、その際には以下のポイントを押さえつつ対応してください。

5-1. 公正証書を作成して、強制執行ができるようにする

損害賠償の分割払いを取り決める際は、途中で支払いが滞るリスクに注意すべきです。

そこで有効なのが、分割払いの合意書を公正証書で作成することです。公正証書に「強制執行認諾条項」を入れておけば、支払いが滞った場合に、訴訟などを経ることなく、直ちに強制執行を申し立てて加害者の預貯金や給与などを差し押さえることができます。

公正証書は公証役場で作成できますが、適切な内容に仕上げるためには弁護士のサポートを受けながら作成するのが安心です。

5-2. 支払いが滞ったら遅延損害金も請求する

加害者が分割での損害賠償の支払いを滞らせた場合は、1日ごとに遅延損害金が発生します。遅延損害金の利率は、公正証書などで合意している場合はその定めに従い、合意がなければ法定利率(年3%)となります。

遅延損害金は加害者本人にプレッシャーを与え、自発的な支払いを促すことに繋がります。損害賠償の不払いが生じた際には、元金だけでなく遅延損害金も漏れなく請求しましょう。

6. 交通事故の損害賠償請求について、弁護士に相談・依頼するメリット

交通事故の被害に遭ったら、損害賠償請求について弁護士に相談することをおすすめします。自身の任意保険に弁護士特約が付いていれば、弁護士費用の自己負担をゼロまたは大幅に抑えることができます。

交通事故の被害者が弁護士に相談・依頼する主なメリットは、以下のとおりです。

6-1. 損害賠償の適正額が分かり、増額が期待できる

弁護士に相談すれば、事故やけがなどの状況に応じた損害賠償の適正額を見積もってもらえます。

弁護士は、被害者に生じた損害を漏れなく把握したうえで、適切な基準によって金額を計算し、法的根拠を示しながら粘り強く損害賠償を請求します。その結果、適正額の損害賠償を受けられる可能性が高まります。

賠償金の算定には以下の3つの基準があり、どの基準を用いるかによって賠償金額が大きく変わります。

自賠責保険基準:自賠責保険の保険金額を算定する基準。3つの基準の中で最も低額
任意保険基準:任意保険会社が独自に定める支払い基準。自賠責保険基準より高額だが、弁護士基準よりも低額
裁判所基準(弁護士基準):過去の裁判例に基づく基準。3つの基準の中で最も高額であり、かつ公正な基準

弁護士は、最も被害者に有利かつ公正である「弁護士基準」で賠償金を算定して交渉を行います。相手方の提示額が不当に低い場合は、弁護士の介入によって増額が期待できます

交通事故で弁護士が示談交渉をするメリットの図。弁護士基準による請求が可能
交通事故で弁護士が示談交渉をするメリットの図。弁護士基準による請求が可能

6-2. 示談交渉などを任せて、労力やストレスを軽減できる

弁護士に依頼すれば、示談交渉や訴訟などの対応の大部分を任せられます。弁護士に損害賠償請求を任せれば、被害者の労力やストレスは大幅に軽減され、けがの治療や日常生活に専念できるようになります。

6-3. 加害者の支払い能力がない場合の対処法もアドバイスしてもらえる

加害者が任意保険に加入しておらず十分な支払い能力もない場合は、被害者が十分な補償を受けるために、さまざまなアプローチを検討する必要があります。

弁護士に相談すれば、できる限り多くの補償を受けるための方法について、状況に合わせたアドバイスを受けられます。また、請求手続きや書類作成などの負担が大きい場合でも、弁護士に任せることで、適切かつスムーズに対応してもらえる点も大きなメリットです。

7. 交通事故の相手方が自己破産をしたら、損害賠償の支払い義務はなくなる?

交通事故の加害者は「自己破産」をして、被害者に対する損害賠償責任を免れようとするケースがあります。自己破産は、裁判所を通じて借金などの債務(=お金を支払う義務)を免責する手続きです。

交通事故の損害賠償請求権も、自己破産による免責の対象になり得ます。ただし、以下のいずれかに該当する場合には、加害者が自己破産をしても損害賠償請求権は免責されません。

・交通事故について加害者に悪意(=積極的に害を加える意思)があった場合
・交通事故について加害者に故意または重大な過失があり、被害者の生命または身体が害された場合

被害者としては、加害者が自己破産をした場合は、自分の損害賠償請求権が免責の対象外となる旨を裁判所や破産管財人に説明することが求められます。裁判所から破産通知が届いたら、速やかに弁護士へ相談してください

8. 交通事故の損害賠償の支払い能力がない場合についてよくある質問

Q. 相手に損害賠償の支払い能力がない場合、相手の家族に請求できる?

相手方本人が精神上の障害によって責任能力を欠いている場合などを除き、家族には損害賠償を請求できません。

Q. 生活保護を受けていることを理由に、損害賠償の支払いを拒否できる?

拒否できません。交通事故の加害者は、生活保護を受けているとしても、被害者に対する損害賠償責任を負います。

Q. 相手の財産を差し押さえた結果、賠償金が足りない場合は泣き寝入りするしかない?

自賠責保険や政府保障事業から補償を受ける、将来分の給与を差し押さえるなどの方法が考えられます。弁護士に相談してください。

9. まとめ|支払い能力がない交通事故加害者への損害賠償請求は、まず弁護士に相談を

交通事故の加害者が任意保険に加入しておらず、支払い能力もない場合でも、被害者はさまざまな方法によって補償を受けることができます。具体的には「自賠責保険の保険金を請求する」「加害者本人に分割払いで請求する」「自分の保険から補償を受ける」などの対処法があります。泣き寝入りする前に弁護士へ相談しましょう。

弁護士に依頼すれば、事故の損害を漏れなく算出したうえで、適切な基準で金額を計算し、法的根拠を示しながら加害者側と粘り強く交渉してもらえます。加害者の支払い能力がない場合でも、できる限り補償を受けるためのアドバイスも受けられます。

(記事は2026年2月1日時点の情報に基づいています)

今すぐ電話できる!無料相談OK事務所も!

朝日新聞社運営「交通事故の羅針盤」で

交通事故トラブルに強い弁護士を探す

朝日新聞社運営 「交通事故の羅針盤」

交通事故トラブルに強い
弁護士を探す

この記事を書いた人

阿部由羅(弁護士)

阿部由羅(弁護士)

ゆら総合法律事務所 代表弁護士
西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。交通事故案件のほか、離婚・相続・債務整理案件や、ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務などを得意とする。埼玉弁護士会所属。登録番号54491。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
阿部由羅(弁護士)の記事を読む
弁護士を探す
※「交通事故の羅針盤 弁護士検索サービス」への掲載を希望される場合は こちら をご確認下さい
朝日新聞社が運営する「交通事故の羅針盤」は、交通事故問題の解決をサポートするポータルサイトです
突然の交通事故で、「まさか」という現実に直面し、不安な日々を過ごしていませんか?
身体的な苦痛に加え、保険会社とのやり取りや補償内容への疑問など、金銭的・精神的な負担は計り知れません。私たちは、そんなあなたの心を少しでも軽くしたいという想いから、交通事故問題に取り組む弁護士を集めたポータルサイト「交通事故の羅針盤」を開発しました。
このサイトでは、交通事故問題の解決に役立つ正確な情報を提供するとともに、あなたの状況に合った弁護士をスムーズに検索できるサービスを通じて、あなたの「安心の道しるべ」となることを目指しています。
「まさか」の出来事をなかったことにはできません。しかし、その後の人生を少しでも心穏やかに過ごしていくために、頼れる専門家と共に進んでいくことは可能です。
「交通事故の羅針盤」が、あなたの未来を拓く一助となれば幸いです。
朝日新聞社運営の交通事故の羅針盤で交通事故トラブルに強い弁護士を今すぐ検索