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交通事故で法テラスを活用する流れ 無料になる条件は? 弁護士費用も解説

更新日: / 公開日:
交通事故の弁護士費用が不安な場合は、法テラス利用がおすすめです(c)Getty Images
交通事故の被害に遭ったものの、弁護士費用が不安で相談をためらっている人もいるでしょう。法テラスでは、一定の条件を満たせば無料法律相談や弁護士費用の立替制度を利用でき、交通事故についても相談・依頼が可能です。 ただし、収入や資産などの利用条件があり、誰でも使えるわけではありません。 交通事故で法テラスを利用する条件や費用、手続きの流れ、メリット・注意点、利用できない場合の対処法について弁護士がわかりやすく解説します。

目 次

1. 交通事故のトラブルは法テラスに相談可能

2. 法テラスの主な2つのサービス

2-1. 弁護士への無料相談

2-2. 弁護士費用の立て替え

3. 法テラスで無料法律相談を利用するための条件

4. 法テラスで費用の立替制度を利用するための条件

4-1. 収入と資産が一定基準以下であること

4-2. 勝訴の見込みがないとはいえないこと

4-3. 民事法律扶助の趣旨に適すること

5. 交通事故で法テラスを利用する流れ

6. 交通事故で法テラスを利用する際にかかる弁護士費用

6-1. 着手金|6万円~24万円程度

6-2. 成功報酬|獲得金額の10%程度

6-3. 実費|数万円程度

7. 交通事故で法テラスを利用するメリット

7-1. 費用を抑えて弁護士に相談できる

7-2. 交通事故に詳しい弁護士を紹介してもらえる

7-3. 示談交渉や裁判を依頼できる

7-4. 全国どこからでも法的支援を受けやすい

8. 交通事故で法テラスを利用する際の注意点

8-1. 無料法律相談や弁護士費用の立替制度には利用条件がある

8-2. 担当弁護士を自由に選べないことがある

8-3. 審査手続きに時間がかかる場合がある

9. 交通事故で法テラスを利用できない場合の対処法

9-1. 弁護士費用特約を使って弁護士に依頼する

9-2. 成功報酬型の弁護士事務所に依頼する

9-3. 分割払いに対応してもらえる事務所を探す

10. 交通事故で法テラス以外に無料相談可能な窓口は?

10-1. 【おすすめ】各地にある弁護士事務所

10-2. 弁護士会の相談窓口

10-3. 日弁連交通事故相談センター

10-4. 交通事故紛争処理センター

10-5. そんぽADRセンター

10-6. 自治体の法律相談窓口

11. 交通事故で法テラスに関して、よくある質問

12. まとめ 弁護士費用が不安な場合は、法テラスの利用が有効

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1. 交通事故のトラブルは法テラスに相談可能

法テラス(日本司法支援センター)とは、国が設立した公的な法律支援機関です。全国に事務所を持ち、地域の弁護士会とも連携しながら、法律トラブルを抱える人に必要な情報やサービスを提供しています。

「法律の専門家に相談したいが、どこに相談すればよいかわからない」「弁護士費用が払えるか不安」といった人のために、無料での情報提供や相談を行う窓口として設立されました。

交通事故の被害に遭った場合、示談交渉の進め方や損害賠償の請求方法、過失割合の考え方、後遺障害の等級認定に関する悩みなど、さまざまな相談が法テラスの対象となります。

相談内容に応じて、弁護士による法律相談や、適切な相談窓口の案内を受けることができます。ただし、法テラス自体が事故の相手方と直接交渉してくれるわけではありません。あくまで実際の示談交渉や依頼は、法テラスを通じて紹介・契約した弁護士への相談・依頼を通じて進めていくことになります。

この点を誤解したまま利用を検討してしまうと、期待していたサポート内容と実際のしくみにズレが生じてしまうため、あらかじめ理解しておくことが大切です。

2. 法テラスの主な2つのサービス

交通事故について法テラスを利用する場合、主に「無料法律相談」と「弁護士費用の立て替え」の2つのサービスを利用できます。それぞれの内容をみていきましょう。

2-1. 弁護士への無料相談

法テラスでは、収入や資産などが一定の基準以下の方を対象に、弁護士による無料法律相談を実施しています。

交通事故についても、保険会社との示談交渉や損害賠償、過失割合、後遺障害など、幅広い内容を相談できます。「保険会社から提示された金額が妥当かわからない」「今後どう対応すればよいのか知りたい」といった段階でも相談して問題ありません。

ただし、無料相談を利用するには一定の条件があり、相談できる回数や時間にも上限があります。相談方法も地域によって異なるため、詳しくはお住まいの地域を管轄する法テラスに確認してみましょう。

2-2. 弁護士費用の立て替え

「弁護士に依頼したいけれど、まとまった費用をすぐに用意できない」という場合には、法テラスの弁護士費用立替制度を利用できる可能性があります。この制度を利用すると、着手金などの弁護士費用を法テラスが一時的に立て替えてくれます。そのため、手元に十分なお金がなくても、弁護士への依頼を検討しやすくなります。

ただし、立て替えられた費用が無料になるわけではありません。原則として、立て替えてもらった費用は分割で返済する必要があります。また、利用には収入や資産などの条件が設けられています。

なお、一定の要件を満たす場合には返済が猶予・免除されることもあります。費用面に不安がある人は、まず法テラスや対応している弁護士に相談してみるとよいでしょう。

法テラスの立替制度のしくみを図解。立て替えてもらった費用は分割返済することになる
法テラスの立替制度のしくみを図解。立て替えてもらった費用は分割返済することになる

3. 法テラスで無料法律相談を利用するための条件

法テラスの無料法律相談は、誰でも利用できるわけではなく、収入や資産が一定の基準以下であることが条件です。基準となる金額は、同居している家族の人数や住んでいる地域によって異なります。東京都特別区や大阪市など、一部の地域では基準額がやや高めに設定されています。

また、無料法律相談を利用する場合、資産については現金や預貯金などをもとに判断されます。具体的な基準額は変更されることもあるため、「自分は利用できるのかな?」と迷ったときは、法テラスの公式サイトを確認するか、直接問い合わせてみるとよいでしょう。

4. 法テラスで費用の立替制度を利用するための条件

弁護士費用の立替制度を利用するためには、無料相談の要件に加えて、次の3つの条件をすべて満たす必要があります。

4-1. 収入と資産が一定基準以下であること

まず、収入と資産が一定の基準以下であることが条件です。

収入の基準は無料法律相談と同じように、同居している家族の人数や住んでいる地域によって変わります。資産についても、現金や預貯金のほか、不動産(自宅や係争物件を除く)や有価証券などを含めて判断されます。

申込みの際には、給与明細や預金通帳の写しなど、収入や資産がわかる資料の提出を求められることがあります。あらかじめ手元に用意しておくと、手続きをスムーズに進められるでしょう。

4-2. 勝訴の見込みがないとはいえないこと

「勝訴の見込みがないとはいえないこと」も、立替制度を利用するための条件です。

少しわかりにくい表現ですが、「必ず裁判で全面的に勝てる見込みが必要」という意味ではありません。示談交渉や裁判などを通じて一定の解決が期待できれば、この条件を満たす可能性があります。

交通事故では、事故の状況やけがの内容、損害額などを踏まえて判断されます。そのため、ドライブレコーダーの映像や診断書など、事故や損害を裏付ける資料があれば用意しておくとよいでしょう。

4-3. 民事法律扶助の趣旨に適すること

法テラスの民事法律扶助は、経済的に余裕がない方でも、必要な法的サポートを受けられるようにするための制度です。そのため、相手への嫌がらせや報復などを目的とした利用は認められません。

もっとも、交通事故の被害について適正な損害賠償を求めるなど、一般的なトラブルの解決を目的としているのであれば、過度に心配する必要はないでしょう。最終的には、相談内容や請求の目的などを踏まえて、法テラスが利用できるかどうかを判断します。

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5. 交通事故で法テラスを利用する流れ

交通事故で法テラスを利用する場合は、おおむね以下の流れで手続きを進めます。

  1. 法テラスに問い合わせる

  2. 無料法律相談を予約する

  3. 弁護士に相談する

  4. 弁護士費用の立替制度に申し込む

  5. 審査後、弁護士に正式に依頼する

まずは、電話やホームページから法テラスに問い合わせ、無料法律相談の予約を取ります。相談では、事故の状況や保険会社との交渉状況、損害賠償に関する悩みなどを弁護士に伝えましょう。

相談した結果、弁護士への依頼を希望する場合は、必要に応じて弁護士費用の立替制度に申し込みます。法テラスの審査を通過すれば、正式に弁護士へ依頼し、示談交渉や裁判などを任せることができます。

なお、立て替えてもらった費用は、原則として分割で返済します。また、法テラスを利用すると審査などの手続きが必要になるため、できるだけ早めに相談しておくとよいでしょう。

法テラスで立替制度と無料相談を利用する流れ。まずは法テラスに連絡すること
法テラスで立替制度と無料相談を利用する流れ。まずは法テラスに連絡すること

6. 交通事故で法テラスを利用する際にかかる弁護士費用

法テラスを利用した場合でも、弁護士への依頼がすべて無料になるわけではありません。主に「着手金」「成功報酬」「実費」がかかります。それぞれの費用についてみていきましょう。

6-1. 着手金|6万円~24万円程度

着手金とは、弁護士に事件を依頼する際に支払う費用です。法テラスを利用する場合は所定の基準に基づいて決まり、交通事故の損害賠償請求では6万円から24万円程度が一つの目安となります。実際の金額は、請求する損害賠償額や事件の内容などによって異なります。

なお、民事法律扶助を利用すれば、着手金などを法テラスに立て替えてもらい、原則として分割で返済することが可能です。そのため、「まとまった弁護士費用をすぐに用意できない」という人でも依頼を検討しやすいでしょう。

6-2. 成功報酬|獲得金額の10%程度

成功報酬とは、事件が解決した際、その結果に応じて弁護士に支払う費用です。交通事故では、相手方から獲得した賠償金などをもとに報酬額が決まります。法テラスを利用した場合は、獲得した金額の10%程度が一つの目安です。

ただし、実際の報酬額は事件の内容や解決結果などによって変わります。具体的にいくらかかるのかは、依頼する際に確認しておきましょう。

6-3. 実費|数万円程度

実費とは、訴訟を起こす際の印紙代や郵便代、証拠収集などにかかる費用です。依頼する内容によって異なりますが、数万円程度が目安となります。法テラスを利用する場合、弁護士が遠方へ出張する際の日当や、通常の交通費は原則として発生しません。また、示談交渉だけで解決すれば、実費がほとんどかからないケースもあります。一方、訴訟に発展し、鑑定などが必要になると、実費が高額になることがあります。

法テラスの制度は国が定めた統一基準で運用されているため、想定外の費用が後から上乗せされる心配が少ない点もメリットです。

7. 交通事故で法テラスを利用するメリット

交通事故で法テラスを利用すると、費用の負担を抑えながら弁護士のサポートを受けられる可能性があります。ここでは、主なメリットを4つ紹介します。

7-1. 費用を抑えて弁護士に相談できる

法テラスを介さずに弁護士へ直接依頼するよりも、費用が抑えられる傾向にあります。これは、国が定めた統一基準が適用されるためで、一般の法律事務所の相場と比べて大幅に低コストで依頼できることが期待できます。事務所ごとに料金体系が異なる一般の弁護士事務所とは異なり、全国どこで依頼しても同じ基準が適用されるため、費用面での比較検討に悩む必要が少ないメリットもあります。

7-2. 交通事故に詳しい弁護士を紹介してもらえる

相談内容に応じた弁護士を紹介してもらえるため、自分で弁護士を探す手間を省くことができます。インターネットで多数の事務所の中から自分に合った弁護士を探すのは、法律の知識がない人にとって難しい作業です。

法テラスであれば、専門の相談員が事情を聞き取ったうえで適切な窓口や弁護士につないでくれるため、心理的な負担も軽減されます。紹介を受けた後は、実際にその弁護士に依頼するかどうかを、無料相談を通じてじっくり判断することができます。

7-3. 示談交渉や裁判を依頼できる

無料法律相談だけでなく、正式に弁護士へ依頼すれば、保険会社との示談交渉や裁判なども任せられます。

交通事故では、慰謝料の金額や過失割合などをめぐって、保険会社と意見が食い違うことも珍しくありません。弁護士に依頼すれば、事故状況や証拠などを確認したうえで適切な賠償を受けられるよう交渉してもらえます。

自分で保険会社とやりとりする負担を減らしながら、解決を目指せるのは大きなメリットです。

7-4. 全国どこからでも法的支援を受けやすい

法テラスの事務所は全国各地に設けられているため、近くに交通事故に詳しい弁護士が少ない地域に住んでいる場合でも、相談しやすい体制が整っています。都市部に比べて弁護士の数が少ない地方に住んでいる人にとっても、地域を問わず一定水準の法的支援を受けられることは大きな安心材料になります。

8. 交通事故で法テラスを利用する際の注意点

法テラスは費用面でメリットがある一方、利用条件や手続きなどで注意したい点もあります。利用を検討している人は、以下の3点を確認しておきましょう。

8-1. 無料法律相談や弁護士費用の立替制度には利用条件がある

先述のとおり、法テラスの無料法律相談や弁護士費用の立替制度は、誰でも利用できるわけではありません。収入や資産が一定の基準以下であることなど、利用するための条件が設けられています。

これは、限られた公的資金を、経済的な理由で弁護士への相談・依頼が難しい人に届けるためです。また、弁護士費用の立て替えについては、事件の内容なども審査されます。

「自分は利用できるかわからない」という場合でも、最初からあきらめる必要はありません。まずは法テラスに問い合わせて、利用条件を満たしているか確認してみるとよいでしょう。

8-2. 担当弁護士を自由に選べないことがある

法テラスを通じて弁護士に相談する場合、自分で希望する弁護士を自由に選べないことがあります。そのため、必ずしも交通事故を多く扱っている弁護士に相談できるとは限りません。

一方、相談したい弁護士が法テラスと契約していれば、その弁護士を通じて法テラスの制度を申し込む「持ち込み方式」を利用できる場合があります。

「交通事故に詳しい弁護士に相談したい」などの希望がある場合は、希望する法律事務所へ直接問い合わせ、法テラスの利用に対応しているか確認してみましょう。

法テラスの「持ち込み方式」を図解。自分で弁護士を選ぶことができる
法テラスの「持ち込み方式」を図解。自分で弁護士を選ぶことができる

8-3. 審査手続きに時間がかかる場合がある

法テラスの制度を利用して弁護士に依頼する場合、収入や資産などの審査や、必要書類の提出が必要になります。そのため、法律事務所へ直接依頼する場合よりも、正式な依頼までに時間がかかることがあります。

交通事故では、損害賠償請求の時効や保険会社との交渉状況などによって、早めの対応が必要になるケースもあります。急いで弁護士に依頼する必要がある場合は、法テラスだけに絞らず、法律事務所への直接相談も検討するとよいでしょう。

9. 交通事故で法テラスを利用できない場合の対処法

法テラスの条件を満たしていなくても、弁護士費用を抑えて依頼できる方法はあります。法テラスを利用できなかった場合は、以下の方法を検討してみましょう。

9-1. 弁護士費用特約を使って弁護士に依頼する

まず確認したいのが、自動車保険などに「弁護士費用特約」が付いていないかどうかです。弁護士費用特約を利用できれば、一般的に300万円程度を上限として弁護士費用を保険会社に負担してもらえるため、自己負担なしで依頼できるケースも少なくありません。

自分が契約している自動車保険だけでなく、家族の自動車保険や火災保険などに付帯している特約を利用できる場合もあります。まずは保険証券や契約内容を確認してみましょう。弁護士費用特約には法テラスのような収入・資産の基準がないため、利用できるのであれば有力な選択肢になります。

自己負担0円で弁護士に依頼したい方へ

9-2. 成功報酬型の弁護士事務所に依頼する

法テラスを利用できなくても、着手金無料などの料金体系を採用している法律事務所であれば、初期費用を抑えて依頼できる場合があります。

交通事故では、獲得した賠償金から弁護士費用を支払う料金体系を設けている事務所もあります。そのような事務所であれば、依頼時にまとまったお金を用意できない人でも検討しやすいでしょう。

ただし、料金体系や成功報酬の金額・割合は事務所によって異なります。依頼する前に、最終的な自己負担額がどの程度になるのか確認しておくことが大切です。

9-3. 分割払いに対応してもらえる事務所を探す

弁護士費用を一括で支払うことが難しい場合は、分割払いに対応している法律事務所を探す方法もあります。

事務所によっては、着手金などを複数回に分けて支払える場合があります。支払い方法について柔軟に相談できるケースもあるため、費用が心配だからといって弁護士への相談そのものを諦める必要はありません。

無料相談などを利用する際に、分割払いが可能か、毎月いくら程度の支払いになるのかを確認してみるとよいでしょう。

10. 交通事故で法テラス以外に無料相談可能な窓口は?

交通事故について無料で相談できる場所は、法テラスだけではありません。相談したい内容や現在の状況に応じて、以下のような窓口も利用できます。

10-1. 【おすすめ】各地にある弁護士事務所

交通事故について弁護士に相談したい場合は、法律事務所へ直接問い合わせる方法がおすすめです。交通事故について初回相談を無料としている法律事務所もあり、法テラスのような収入・資産の条件なしで相談できる場合があります。

また、示談金の金額が適切か、過失割合に問題がないか、弁護士に依頼すると賠償額が増える可能性があるかなど、具体的な見通しについて相談できます。

弁護士費用特約を利用できるか、依頼すると費用倒れ(弁護士費用の方が高くついてしまい、結果的に自分で交渉した時よりも手取り額が少なくなってしまう現象)にならないかといった費用面についても、相談時に確認しておくとよいでしょう。

10-2. 弁護士会の相談窓口

各地の弁護士会が設けている法律相談センターでも、交通事故について相談できる場合があります。「弁護士に相談したいけれど、どの法律事務所を選べばよいかわからない」という場合の相談先のひとつです。

ただし、相談料や相談できる内容などは地域によって異なります。利用する際は、地域の弁護士会のホームページなどで確認しておきましょう。

10-3. 日弁連交通事故相談センター

日弁連交通事故相談センターは、交通事故の民事上の問題について、弁護士に無料で相談できる窓口です。電話相談や面接相談を利用できるほか、相手方との示談がまとまらない場合には、弁護士が間に入る「示談あっせん」を無料で利用できる場合もあります。

交通事故に関する相談から示談の解決まで、費用を抑えながら専門家のサポートを受けたい場合に利用を検討するとよいでしょう。

10-4. 交通事故紛争処理センター

交通事故紛争処理センターは、自動車事故の損害賠償をめぐるトラブルについて、法律相談や和解あっせん、審査を無料で行っている機関です。たとえば、保険会社から示談金を提示されたものの、金額に納得できず話し合いが進まない場合などに利用できます。

弁護士などが中立・公正な立場から対応してくれるため、保険会社との示談交渉がまとまらないときの選択肢として覚えておくとよいでしょう。

10-5. そんぽADRセンター

そんぽADRセンターは、交通事故や損害保険に関する相談を受け付けている窓口です。特に、保険会社の対応や説明に納得できない場合などに利用できます。相談だけでなく、対象となる損害保険会社とのトラブルについて、苦情の受付や紛争解決のサポートも行っています。

相談や苦情・紛争解決手続きは原則として無料なので、損害保険会社とのトラブルを抱えている場合に検討してみましょう。

10-6. 自治体の法律相談窓口

市区町村などの自治体でも、住民向けの無料法律相談を実施していることがあります。相談時間や回数には限りがありますが、近くの市役所・区役所などで弁護士に相談できる場合があるため、「まず専門家の意見を聞いてみたい」という方には利用しやすいでしょう。

実施日時や予約方法、相談できる内容は自治体によって異なるため、事前にホームページなどで確認しておくことをおすすめします。

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11. 交通事故で法テラスに関して、よくある質問

Q. 全国どこの法テラスでも相談可能?

居住地を管轄する法テラスが原則ですが、離れたくない事情がある場合や、出張先での相談が必要な場合には、他地域の法テラスを利用できることもあります。まずは窓口に相談してみましょう。

Q. 法テラスの審査は厳しい?

収入・資産の基準を満たしていれば、審査自体はそれほど厳しいものではありません。ただし必要書類の準備や、審査完了までに一定の時間がかかる点には留意しておきましょう。

Q. 法テラスだと相談の質は落ちる?

法テラスと契約している弁護士は、一般の弁護士と同様の資格を持つ専門家です。相談の質そのものが劣るということはなく、安心して利用できます。

Q. 交通事故の加害者でも法テラスは利用できる?

民事上の損害賠償請求への対応であれば、収入・資産等の要件を満たせば加害者側であっても利用できます。ただし刑事事件に関する弁護活動は、この制度の対象外です。

Q. 法テラスの立替費用は相手に請求できる?

立て替えを受けた弁護士費用そのものを相手方に直接請求することは、原則としてできません。ただし判決で賠償が認められた場合、賠償額の一定割合が弁護士費用相当額として上乗せされることがあります。

12. まとめ 弁護士費用が不安な場合は、法テラスの利用が有効

交通事故について弁護士に相談・依頼したくても、費用が心配な場合は法テラスを利用できる可能性があります。一定の条件を満たせば、無料法律相談や弁護士費用の立替制度を利用できるため、まとまった費用を用意できない人にとって心強い制度です。

ただし、収入や資産などの利用条件があり、審査に時間がかかる場合もあります。弁護士費用特約や法律事務所の無料相談など、ほかにも費用を抑える方法はあります。交通事故の対応に困ったときは、費用だけを理由に諦めず、まずは弁護士に相談してみましょう。

(記事は2026年10月1日時点の情報に基づいています)

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この記事を書いた人

加藤高明(弁護士)

加藤高明(弁護士)

Adam法律事務所 代表弁護士
2008年関西学院大学大学院情報科学専攻修了。法科大学院を経て、2011年司法試験合格、2012年弁護士登録、2022年Adam法律事務所設立。現在は、青年会議所や商工会議所青年部を通じた人脈による企業法務、交通事故、太陽光問題、相続問題、男女問題に従事し、筋トレやスニーカー収集に興味を持つ。岡山弁護士会所属、登録番号47482。
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