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1. 自転車と接触した場合、警察官への報告は必要?
自動車を運転している最中に自転車と接触したら、必ず警察官に報告しなければなりません。自転車側のけがの有無や程度にかかわらず、警察官への報告が道路交通法によって義務付けられています。
警察官への報告を怠ることは違法であり、後述するようにさまざまなリスクを伴います。たとえ相手に「大丈夫」と言われても、必ず警察官へ報告してください。
2. 自転車との接触事故を警察官へ報告しなかったらどうなる?
自転車との接触事故について警察官に報告しないと、自動車側の運転者は以下のリスクを負う可能性があります。
2-1. 運転免許の違反点数が増える
交通事故を起こした自動車の運転者には、運転免許の違反点数が加算されることがあります。違反点数が一定以上累積すると、免許の停止処分または取消処分が行われます。
被害者がけがをしていない物損事故の場合、基本的に違反点数は加算されません。しかし、道路上の危険を防止する措置を怠ったまま事故現場から去ると、いわゆる「当て逃げ」として5点の違反点数が加算されます。他の違反と合わせて累積6点に達すると、免許の停止処分の対象になります。
また、被害者がけがをしている人身事故において、被害者を救護せずに事故現場から去ると、いわゆる「ひき逃げ」として35点の違反点数が加算されます。
さらに安全運転義務違反の点数(2点)や、被害者のけが等の程度や誰に過失があるかに応じた点数(2~20点)も加算されます。その結果、前歴がない場合でも免許の取消処分を受け、その後最低3年間は免許の再取得ができなくなる可能性があります。
警察官への報告を怠ると、当て逃げやひき逃げと判断されるリスクが高まるので注意が必要です。
2-2. 報告義務違反で刑事罰の対象となる
道路などにおいて交通事故を起こした場合は、道路交通法によって警察官への報告が義務付けられています。警察官への報告義務を怠ることは道路交通法違反に当たり、それ自体が刑事罰(3カ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金)の対象となります。
さらに被害者にけがをさせた場合は、過失運転致死傷罪(7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)と併せて処罰されることもあります。報告義務を怠った事実が悪い情状と評価され、起訴される可能性や、量刑が重くなる可能性が高くなるため注意してください。
2-3. 交通事故証明書が発行されない|保険金が支払われないおそれも
自転車との接触事故が発生したことを警察官に報告していないと、自動車安全運転センターから交通事故証明書の発行を受けることができません。
自分が任意保険に加入していれば、被害者に対する損害賠償は保険会社が支払います。しかし、保険会社が被害者に対して保険金を支払う際には、原則として交通事故証明書が必要です。
交通事故証明書が発行されない場合、保険会社は保険金の支払いを拒否する可能性があります。その結果、被害者への高額な損害賠償を自己負担しなければならないケースもあります。
このようなトラブルを防ぐためにも、自転車との接触事故を起こした場合は必ず警察官に報告しましょう。
3. 自転車と接触!現場で必ずするべきこと
自動車の運転中に自転車と接触したら、以下の対応を迅速かつ確実に行ってください。
自動車を安全な場所に停止させる
相手方がけがをしている場合は、救護する(道路脇への移動・応急処置・119番など)
道路上の危険を防止する措置をとる(車両の移動・停止表示板の設置など)
警察官に報告する(110番)
相手方の情報を確認する(氏名・住所・連絡先・保険会社など)
事故現場の状況を記録する(写真撮影・ドライブレコーダーの映像の保存など)
自分の保険会社に連絡する(任意保険に加入している場合)
警察官への報告を含めて、これらの対応をきちんと行うことがスムーズな事故対応に繋がります。
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4. 自転車と接触したとき、相手に「大丈夫」と言われたら?
自転車との接触事故を起こした際、自転車側の運転者が「けがはしていなさそうだし、大丈夫」などと言ってくるかもしれません。しかし、それをうのみにして警察官への報告を怠ると、免許の停止・取消しや刑事罰、保険金の不払いなどのリスクが生じてしまいます。
たとえ相手に「大丈夫」と言われても、必ず警察官に報告することが重要です。
5. 自転車と接触した後、相手が立ち去ってしまったときの対処法
自転車との接触事故が発生した後、自転車側が「大丈夫」などと言って立ち去ってしまうケースもあります。その場合は、以下の対応をとりましょう。
5-1. すぐに警察官へ事故の報告をする|当日に報告しなかった場合も、後日速やかに
自転車側が立ち去ってしまった場合でも、交通事故の当事者である自動車の運転者には、警察官への報告義務があります。すぐに110番へ連絡して、警察官に事故の報告を行いましょう。
当日に報告できなかった場合でも、気づいた段階で速やかに警察官へ報告するのが大切です。その場合は、最寄りの警察署で手続きを行いましょう。
5-2. できる限り現場の状況や相手方の特徴を記録しておく
自転車側が立ち去ってしまっても、後日損害賠償を請求される可能性はあるでしょう。逆に自動車の損傷などについて、相手に請求するケースも考えられます。
こうしたトラブルに備えて、現場の状況を撮影したり、相手の特徴をメモに残したりして記録を行いましょう。
6. 自転車との接触事故について、弁護士に相談するメリット
自動車の運転中に自転車との接触事故を起こしたときは、弁護士への相談をおすすめします。自動車保険や火災保険についている弁護士費用特約を利用すれば、自己負担なしまたは少額の負担で弁護士に相談や依頼ができます。
弁護士に相談することの主なメリットは、以下のとおりです。
6-1. 相手が行ってしまったときの対処法についてアドバイスを受けられる
自転車側が「大丈夫」などと言って事故現場から去ってしまった場合でも、警察官への報告を含めた慎重な対応が求められます。弁護士に相談すれば、相手が行ってしまったときの対処法について、法的な観点から適切なアドバイスが受けられます。
6-2. 損害賠償請求についての対応を代行してもらえる
自分が任意保険に加入していなかった場合、自転車の運転者のけがなどについて損害賠償を請求されるおそれがあります。弁護士に依頼すれば、相手方との示談交渉などを代行してもらえます。
また、接触時に自動車側にも損害(けがや物損など)が生じた場合は、自転車側に対して損害賠償請求を行うのも可能です。
自転車保険があまり普及していないため、自転車の運転者本人に対して損害賠償請求を行うことになるケースも多く、その場合は難しい対応が求められます。弁護士に相談すれば、損害賠償請求の成否や回収可能性、かかる費用などを総合的に考慮して、どのような方針を立てるべきかについてアドバイスを受けられます。
6-3. 刑事罰が科されないように弁護活動をしてもらえる
自転車の運転者が死亡した場合や重傷を負った場合、過失運転致死傷罪などで起訴される可能性があります。起訴されて有罪判決を受けると、前科がつき、社会生活に悪影響が生じ得るほか、実刑判決を受けて刑務所に収監されるリスクも否定できません。
弁護士には、交通事故に関する刑事弁護を依頼することもできます。被害者側との示談交渉や検察官への働きかけ、さらに起訴された場合は法廷での弁護活動などを通じて、刑事罰を回避できるように尽力してもらえます。
6-4. 労力やストレスが大幅に軽減される
交通事故対応を、当事者が自力で行うのは非常に大変です。相手方や保険会社とのやりとり、損害の把握や計算、示談交渉がまとまらなかった場合の訴訟など、対応事項は多岐にわたります。弁護士に依頼すればこれらの手続きを任せられるため、精神的・時間的負担を大きく軽減できます。
7. 車が自転車と接触する交通事故についてよくある質問
Q. 車との接触事故で「大丈夫」と言ってしまったらどうなる?
単に「大丈夫」と言っただけで示談が成立することはありません。事故が発生したことを警察官に報告し、相手方の氏名・住所・連絡先などを確認しましょう。
また、けがの自覚症状の有無にかかわらず、必ず医療機関を受診してください。当初は物損事故として警察官に報告していても、後にけがが判明したら、警察署で人身事故への切り替えを申請できます。
なお、自動車側に対する損害賠償請求については、弁護士に相談してください。
Q. 自転車との軽い接触事故でも、保険会社には連絡すべき?
任意保険に加入している場合は、必ずその保険会社に連絡してください。軽い接触事故でも、自転車側から損害賠償請求を受ける可能性があり、その場合は保険会社に対応してもらう必要があるためです。
Q. 自転車との接触で車が傷ついたら、相手に損害賠償を請求できる?
自転車側に過失がある場合は、自動車の修理費などの損害賠償を請求できます。ただし、過失割合に応じて賠償金が減額されることがあります。
Q. 接触した自転車の運転者が未成年者だったらどうすべき?
事故後の基本的な対応は、自転車の運転者の年齢にかかわらず同じです。相手方がけがをしていれば救護する、道路上の危険を防止する措置をとる、警察官に報告する、相手方の情報を確認するなどの対応をとりましょう。
自転車側に対して損害賠償を請求する場合は、運転者の責任能力の有無などによっては、その親に対して請求すべきケースもあります。請求先や請求に当たっての注意点などについて、弁護士に相談してください。
8. まとめ 事故相手の自転車が「けがはないから大丈夫」と言っても警察に連絡すること
自動車の運転中に自転車との接触事故を起こしたときは、必ず警察官に報告しましょう。自転車側に「大丈夫」などと言われても、警察官に報告しなければなりません。事故当日に報告しなかった場合でも、後日速やかに警察署へ行って報告を行ってください。
自転車との接触事故に関する対応については、弁護士が相談を受け付けています。自転車側が立ち去ってしまった場合の対応や、損害賠償請求に関する注意点などのアドバイスを受けられるので、不安を感じているなら早めに弁護士に相談しましょう。
(記事は2026年4月1日時点の情報に基づいています)
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