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交通事故の示談書、サインする前に確認すべきポイントとは【交通事故お悩み相談室】

更新日: / 公開日:
弁護士が交通事故のお悩みにお答えします
弁護士の甲野裕大さんが交通事故にまつわる様々なお悩みにお答えします。今回の相談者は、交通事故に遭い相手方から示談書が送られてきた方です。「サイン前に確認すべきポイントは何か」「一度合意すると追加請求はできないのか」と思い悩んでいます。

目 次

1. 示談書にサインする前に確認すべきポイントは2つ

1-1. ①書面のタイトルではなく内容に注目する

1-2. ②清算条項の有無を確認する

2. サイン後に症状が悪化した場合、原則追加請求できない

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相手方から示談書が送られてきました。サインする前に必ず確認すべきポイントは何ですか? 一度合意すると、後から症状が悪化した場合でも追加請求はできないのでしょうか?(埼玉県在住、40代女性)

交通事故でけがをして治療中、または治療がひと段落したあとに、相手方本人または相手の保険会社から「示談書」が送られてくることがあります。

サインをすべきかどうかは慎重に判断しましょう。示談書に一度サインをしてしまうと、後から取り消すことができなくなる可能性が高いためです。

示談書へのサインに関して、注意すべきポイントを解説します。

1. 示談書にサインする前に確認すべきポイントは2つ

一般的に、示談書にサインするということは、そこに書かれた内容での解決に了承したことを意味します。そして、一度サインをした以上は、簡単には取り消すことができません

そのため、示談書にサインする前に必ず確認すべきポイントが大きく分けて2つあります。

①書面のタイトルではなく内容に注目する
②清算条項の有無を必ず確認する

それぞれ解説します。

1-1. ①書面のタイトルではなく内容に注目する

たとえば、書面のタイトルが「確認書」「合意書」「承諾書」「免責証書」など、示談書以外のいろいろな名称になっていることがあります。しかし、タイトルが何であるかは重要ではありません。大事なのは、あくまでもそこに何が書かれているのか、という点です。

書面の内容が、自分が納得できる金額の賠償金が支払われるものになっているかどうかを必ず確認しましょう。

1-2. ②清算条項の有無を確認する

もう1つ大事なポイントが、「清算条項の有無」です。清算条項とは、簡単にいうと、書面に記載された内容以外に今後一切の請求をしない、ということを約束する文言です。この条項が入っている書面にサインをすると、その書面に書かれた賠償金などは支払われますが、それ以外の支払いを後から追加で請求することは一切できなくなります

極端な例ですが、相手から「休業補償などの賠償金を支払うから、書面にサインをしてほしい」と言われて送られてきた書面に、実は清算条項が含まれていた場合、これにサインをして返送してしまうと、後日、慰謝料の請求をしようとしてもできなくなります。

このような事態を避けるため、送られてきた書面の内容は必ず隅々までチェックしましょう。もし、①と②について判断がつかない場合は、示談書に「なんとなく」サインすることはせず、弁護士に一度相談することをおすすめします。

2. サイン後に症状が悪化した場合、原則追加請求できない

清算条項の関係で示談書にサインする際には、もう1つ注意すべき点があります。それは、清算条項入りの示談書にサインした後に、症状が悪化したり後遺症が発生したりした場合でも、原則として、その損害の賠償を追加で請求することはできない、という点です。

清算条項は「示談書に書かれた内容以外に一切追加の請求をしない」ということを約束する条項です。そのため、後日追加の治療が必要になって治療費がかかったり、後遺症が残ったりしたとしても、請求は一切できなくなります。

ただし、「傷害部分のみの賠償であり、後遺障害部分に関しては別途賠償につき協議する」という内容が入っていれば、示談書にサインしても、後遺障害に伴う慰謝料や逸失利益の請求は後日可能になるといった例外もあります。

こうした一部の例外的なケースを除き、本来請求できるはずだった賠償金を請求できなくなる事態を防ぐことが大切です。治療途中や、後遺症として症状固定となる前の段階では、清算条項入りの示談書へのサインは避けるべきです。

相手から送られてきた書類に疑問を感じたり、サインをしてよいのか悩む場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

(記事は2026年7月1日時点の情報に基づいています。質問は実際の相談内容をもとに再構成しています)

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この記事を書いた人

甲野裕大(弁護士)

甲野裕大(弁護士)

甲リーガル法律事務所 代表弁護士
第二東京弁護士会所属、登録番号49939。医療分野のなかでも不妊治療分野の法律問題に注力するとともに、交通事故分野も多く取り扱う。これまで所属してきた法律事務所において、被害者側の弁護士としてだけではなく、加害者側(保険会社側)の弁護士としても多くの交通事故案件に携わった経験を生かして、双方の視点や考え方をふまえ賠償の見通しや方針を立てたうえで、適切な解決に向けて尽力する。型にはまった解決策ではなく、幅広い選択肢のなかから一人ひとりにとっての最適な解決を常にめざし、日々業務に邁進している。
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