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事故後の通院が難しい。中断するとどうなる? 【交通事故お悩み相談室】

更新日: / 公開日:
弁護士が交通事故のお悩みにお答えします
弁護士の甲野裕大さんが交通事故にまつわる様々なお悩みにお答えします。今回の相談者は、事故後の通院が難しい場合の対応を知りたいと考えています。

目 次

1. 【リスク①】医師による適切な治療と正確な診断ができなくなる

2. 【リスク②】加害者への賠償請求が認められなくなる

3. 迷ったときは弁護士や保険会社に連絡を

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事故でけがをして病院に通っていますが、仕事や家事・育児が忙しく、なかなか通院できません。痛みは少し改善してきましたが、通うのが難しい場合、通院を休んだり中断したりしても問題ありませんか?(神奈川県在住、40代女性)

お仕事や家事育児、日常生活がある中で、けがの通院は非常に負担がかかるものですよね。ただ、身体のことや加害者への賠償請求のことを考えると、通院をむやみに休んだり中断したりすることは弁護士としてお勧めできません。通院を中断することで下記のリスクが起きる可能性があります。

  • 医師による適切な治療と正確な診断ができなくなる

  • 加害者への賠償請求が認められなくなる

くわしく解説します。

1. 【リスク①】医師による適切な治療と正確な診断ができなくなる

もともと予定していた通院日に、急な仕事や体調不良でどうしても通院できなくなることはやむを得ません。その場合は、可能な範囲で近い日程に変更してもらい、その日に通院するようにしましょう。

一方、繰り返し通院を休んだり、自己判断で通院を中断したりすることは避けるべきです。

通院ができない状況が続くと、予定されていた治療や経過観察ができなくなり、本来治るはずだったけがが悪化する可能性もあります。

また、治療を途中で中断すると、医師が症状の経過を把握できないため、重要な証拠となるカルテなどの医療記録に、その後の経過が一切残らないことになってしまいます。

さらに、けがが完治したかどうか、あるいは症状固定となり後遺症が残ったといえるかどうかについて、医師による正確な診断が受けられなくなるリスクもあります。

2. 【リスク②】加害者への賠償請求が認められなくなる

加害者側へ賠償請求をする際は、医師の診断書や医療記録の記載内容が重要な証拠となります。

治療を何度も休んだり、自己判断で中断したりすると、正確な治療経過や検査結果が医療記録に残らなくなります。その結果、医師が適切な診断を行えず、診断書を作成できない状況になる可能性もあります。

この場合、加害者側(特に加害者の保険会社)から、治療中に治療費の支払いを拒絶されたり、最終的な賠償請求の段階で損害の支払いを拒否されたりすることがあります。

具体的には、治療を中断して以降の治療費が請求できない、通院期間に応じた入通院慰謝料が減額される、後遺障害等級認定がされなくなる(後遺障害慰謝料や逸失利益が請求できない)といった不利益が生じる可能性があります。

なぜこのようなことが起きるかというと、治療を中断してから発生した損害や後遺症は、事故との因果関係を証明できなくなる可能性があるためです。また、医療記録などの証拠が残っていないことから、事実上、事故との関連性を裏付けることが難しくなるためです。

あるいは、治療を続けなかったためにけがが治らなかったり悪化したりした場合、その治療費や慰謝料・後遺症については被害者のせい(過失)であり、加害者の責任ではないと判断される可能性もあります。

3. 迷ったときは弁護士や保険会社に連絡を

このように、自己判断で通院を中断すると、本来請求できるはずだった賠償金を減額されたり、最悪の場合は請求できなくなったりするリスクがあります。

どうしても通院を続けられない事情があるときは、自己判断で決めず、まずは医師に相談したうえで、必要に応じて加害者側の保険会社へ連絡してください。

通院に関して迷ったときや、保険会社とのやり取りの中で、治療費などの支払いの打ち切りを言われ困った場合は、一度、弁護士に相談することをお勧めします。

(記事は2026年4月1日時点の情報に基づいています。質問は実際の相談内容をもとに再構成しています)

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この記事を書いた人

甲野裕大(弁護士)

甲野裕大(弁護士)

甲リーガル法律事務所 代表弁護士
第二東京弁護士会所属、登録番号49939。医療分野のなかでも不妊治療分野の法律問題に注力するとともに、交通事故分野も多く取り扱う。これまで所属してきた法律事務所において、被害者側の弁護士としてだけではなく、加害者側(保険会社側)の弁護士としても多くの交通事故案件に携わった経験を生かして、双方の視点や考え方をふまえ賠償の見通しや方針を立てたうえで、適切な解決に向けて尽力する。型にはまった解決策ではなく、幅広い選択肢のなかから一人ひとりにとっての最適な解決を常にめざし、日々業務に邁進している。
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