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前職を退職して転職活動中に事故に遭いました。内定をもらったところでしたが、けがで入院し働き始められませんでした。保険会社から「事故日に無職だったので補償できない」と言われました。何とかなりませんか?
(大阪府在住、30代男性)
交通事故に遭い、入通院のために仕事を欠勤せざるを得なくなって収入が減少した場合、その減少分を「休業損害」として加害者側に請求できます。
今回の相談者のように、事故に遭った時点では仕事をしていなかった場合(無職)でも、一定の条件を満たせば休業損害を請求できる可能性があります。くわしく解説します。
1. 事故日に無職でも休業損害を請求できるケース
保険会社から、事故日に職に就いていなかったことを理由に、休業損害の支払いを断られるケースは実際にあります。しかし、事故日に無職だったからといって、必ずしも休業損害を請求できないわけではありません。一定の条件を満たせば、休業損害の請求は可能です。
具体的には、次の三つの条件を満たす必要があります。
働くことができる状態であったこと(労働能力)
働く意思があったこと(労働の意思)
事故がなければ近い将来に働いていたと認められること(就労の蓋然性)
今回の相談者は転職活動中で、採用先から内定を得ています。そのため、①から③までの条件を満たすと考えられます。
また、本来であれば転職先で働き始める予定だった日に、交通事故による入院のため就労を開始できなかったという事情もあります。そのため、本来得られるはずだった収入が減少したともいえるでしょう。
2. 無職の場合の休業損害の算定方法
休業損害の計算方法としては、会社員など給与所得者の場合、事故前から3カ月間の給与額の平均から1日あたりの給与額を算出し、これに休業日数を乗じる方法が一般的です。
一方、今回のように、まだ新たな勤務先で働き始めていなかった場合には、転職先で支給される予定だった給与額を基に、1日あたりの収入を算定する方法や、前職の年収をベースに算定する方法などが考えられます。
どの方法が適切かは事案によって異なるため、個別の事情を踏まえたうえで、適切な算定方法を検討し、加害者側に主張していく必要があります。
3. 休業損害を請求するために必要な証拠
加害者側に休業損害を請求する際は、事故日に無職であったとしても上記の条件を満たすため、休業損害が認められるべきであることを主張したうえで、具体的な休業損害の金額と、その算出根拠(計算式)を示す必要があります。
また、その主張を裏付ける証拠を提出することも重要です。例えば、事故日に内定を得ていたことを証明する採用先からのメールや内定通知書のほか、休業損害の算定根拠となる予定給与金額が分かる雇用契約書や求人票などが証拠として考えられます。
そのうえで、算定した休業損害額を基に加害者側と交渉を進めます。ただし、加害者側の保険会社と交渉をする場合は、休業損害が実際に認められた裁判例を示したり、請求している金額が過去の裁判などに照らしても適切な金額であるということを示したりする必要もあります。
こうした対応を被害者自身で行うことが難しいと感じた場合は、弁護士に相談し、交渉を任せることもできます。加害者側との交渉の進め方に迷う場合は、一度弁護士に相談することをおすすめします。
(記事は2026年8月1日時点の情報に基づいています。質問は実際の相談内容をもとに再構成しています)
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