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後遺障害の事前認定とは? 手間は少ないがデメリットも 被害者請求との違い

更新日: / 公開日:
後遺障害等級認定の申請には事前認定と被害者請求の2つがあります(c)Getty Images
交通事故の被害に遭い後遺症が残った場合、後遺障害等級の認定を受けることで、後遺障害慰謝料や逸失利益などの賠償金を加害者側に請求できるようになります。 被害者が特に希望しなければ、相手の保険会社主導で申請を行う「事前認定」の手続きが進められます。しかし、事前認定の手続きは保険会社任せとなるため透明性が低く、適切な後遺障害等級が認定されないおそれがあります。確実に後遺障害等級の認定を受けたいのであれば、弁護士に相談や依頼をしたうえで、被害者自身が手続きを進める「被害者請求」を検討しましょう。 後遺障害の事前認定と被害者請求の違い、どちらが被害者にとって有利と言えるのか、後遺障害等級認定の申請に関して弁護士に相談するメリットについて、弁護士がわかりやすく解説します。

目 次

1. 後遺障害等級の「事前認定」とは?|保険会社にすべて任せる手続き

2. 【注意】事前認定のデメリット

2-1. 手続きが不透明で、納得感を得にくい

2-2. 適切な後遺障害等級が認定されないおそれがある

2-3. 賠償金の支払いが示談成立後(先払い不可)

3. 事前認定の手続きの流れと必要書類

3-1. 【STEP1】医師から後遺障害診断書を受け取る

3-2. 【STEP2】保険会社に後遺障害診断書を提出する

3-3. 【STEP3】保険会社が損害保険料率算出機構に申請書類を提出する

3-4. 【STEP4】損害保険料率算出機構による審査が行われる

3-5. 【STEP5】損害保険料率算出機構から保険会社に審査結果が通知される

3-6. 【STEP6】保険会社から被害者に審査結果が通知される

3-7. 事前認定の手続きに要する期間の目安

4. もう一つの選択肢「被害者請求」とは?|被害者が主導する手続き

5. 事前認定と被害者請求はどちらを選ぶべき?

6. 事前認定をやめて、被害者請求へ切り替えるタイミングと手順

6-1. 切り替えるなら、後遺障害診断書の提出前に

6-2. 被害者請求の具体的な流れと手順

7. 事前認定の結果に納得できない場合の対処法

7-1. まずは被害者請求で再申請する

7-2. 損害保険料率算出機構に異議申立てを行う

7-3. 自賠責保険・共済紛争処理機構の紛争処理制度を利用する

7-4. 損害賠償請求訴訟を起こす

8. 後遺障害等級認定の申請について、弁護士に相談や依頼をするメリット

9. 事前認定に関してよくある質問

10. まとめ 交通事故の後遺障害等級認定の申請は被害者請求のほうが有利となるケースも

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1. 後遺障害等級の「事前認定」とは?|保険会社にすべて任せる手続き

事前認定とは、事故の相手方である加害者が契約する任意保険会社が、後遺障害等級を認定する民間の非営利機関である「損害保険料率算出機構」に対して、交通事故によって生じた後遺障害等級を確認する手続きです。後遺障害等級の認定は、支払いをすべき慰謝料や逸失利益の金額を算定するための前提となるものだからです。

事前認定の流れを図解。余計な手間がかからない一方、手続きが不透明という一面もある
事前認定の流れを図解。余計な手間がかからない一方、手続きが不透明という一面もある

事前認定では、相手方の任意保険会社が、交通事故の被害者やその主治医から取得した資料をもとに後遺障害等級認定の申請を進めます

複雑な資料の収集や、申請書類の作成を相手方の保険会社が行ってくれるため、被害者にとっては余計な手間がかからないというメリットがあります。

相手の保険会社が支払いを進める前提として後遺障害等級の確認が必要となります。そのため、後遺障害が予想される事故では、治療が完了した段階で相手方の保険会社から「後遺障害の確認を進めますね」などと連絡があるケースが一般的です。

2. 【注意】事前認定のデメリット

相手方の保険会社が手続きを主導する事前認定には、次のようなデメリットがあります。

2-1. 手続きが不透明で、納得感を得にくい

事前認定において実際に相手方の保険会社がどのような書類をそろえて申請をしているのかが被害者にとって明らかではありません。事前認定では、後日、単に申請の結果のみが通知されることとなります。障害が残るほどの大きな事故において、不透明な手続きに基づいて予想よりも低い後遺障害等級が認定された場合、納得感を得ることは困難です。

2-2. 適切な後遺障害等級が認定されないおそれがある

交通事故の加害者である相手側の保険会社は、被害者に対する支払いをなるべく抑えようとする傾向があります。これは、保険会社が営利企業であることをふまえると、やむを得ないでしょう。

少なくとも、被害者により有利な判断となるように保険会社が積極的に動くことはありません。けがの状態について最も詳しい被害者本人や主治医に対して十分な聞き取りを行い、追加の資料を収集したり、より高い等級が認定されるように努力したりすることは期待できません。

結果的に、後遺障害診断書の記載や検査結果が十分でないまま事前認定の申請が行われ、低い等級が認定されるケースやそもそも後遺障害等級が認定されないケースは珍しくありません

2-3. 賠償金の支払いが示談成立後(先払い不可)

事前認定によって後遺障害等級が認定された場合であっても、すぐに賠償金を受け取ることはできません。賠償金の受け取りは、あくまでも加害者との間で示談が成立したタイミングとなります。

被害者自身が手続きを進める「被害者請求」という方法をとった場合、後遺障害の認定と同時に一定の賠償金がただちに支払われます。そのため、被害者請求に比べると賠償金の受け取りが遅くなってしまう点も、事前認定のデメリットと言えます。

3. 事前認定の手続きの流れと必要書類

相手方の保険会社が行う事前認定の手続きの基本的な流れは、以下の図のとおりです。

事前認定の流れを図解。後遺障害診断書を提出する際に求められる保険会社の指定書類は簡易な内容であることが多いため、作成は難しくない
事前認定の流れを図解。後遺障害診断書を提出する際に求められる保険会社の指定書類は簡易な内容であることが多いため、作成は難しくない

3-1. 【STEP1】医師から後遺障害診断書を受け取る

相手の保険会社から後遺障害診断書の作成を指示されます。主治医に後遺障害診断書の作成を依頼し、後遺障害診断書を受け取ってください。診断書の作成には一定の手数料が必要となります。もし被害者が作成費用を立て替えた場合には、領収書を必ず保存しておきます。

3-2. 【STEP2】保険会社に後遺障害診断書を提出する

後遺障害診断書が入手できたら、相手方の保険会社に後遺障害診断書を提出します。この際、相手方の保険会社が指定する書式で書類の作成と提出を求められる場合があります。保険会社の指定書類は簡易な内容であることが多いため、作成は難しくありません。

3-3. 【STEP3】保険会社が損害保険料率算出機構に申請書類を提出する

後遺障害診断書を受け取った相手方の保険会社は、事前認定に必要な書類の作成を行います。

保険会社は治療経過のわかるレセプト(診療報酬明細書)や検査結果を医療機関から随時取り寄せているため、追加の資料が必要となるケースはほとんどありません。レセプトが医療機関から保険会社に届くまでには1、2カ月の期間を要します。タイムラグを考慮しても、症状固定(これ以上治療を続けても治癒や改善の見込みがないと医師が判断した状態)を診断された時点から1、2カ月が経過していれば収集が完了しているはずです。

申請書類の作成と資料の収集が完了すれば、相手方の保険会社が損害保険料率算出機構に事前認定の申請書類を提出します。

3-4. 【STEP4】損害保険料率算出機構による審査が行われる

損害保険料率算出機構に申請書類が到着すると、審査がスタートします。書類や資料に不備があった場合には、修正や追加提出の指示があるため、審査が通常よりも長引きます。

3-5. 【STEP5】損害保険料率算出機構から保険会社に審査結果が通知される

審査結果は、損害保険料率算出機構から相手方の保険会社に対してのみ通知されます。

3-6. 【STEP6】保険会社から被害者に審査結果が通知される

相手方の保険会社が損害保険料率算出機構から審査結果を受け取ったあと、数日から1週間程度で相手方保険会社から被害者に対しても結果が通知されます。

3-7. 事前認定の手続きに要する期間の目安

事前認定には通常のケースであれば1、2カ月ほどの時間を要します。複雑な事故の場合や、書類の修正などがあった場合では3カ月程度かかることもあります。

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4. もう一つの選択肢「被害者請求」とは?|被害者が主導する手続き

後遺障害等級認定の方法はこれまで見てきた事前認定だけではありません。被害者自身や被害者が依頼した弁護士が申請する「被害者請求」という方法もあります。

被害者請求の流れを図解。具体的な症状や生活状況をもとに充実した申請ができれば、事前認定よりも適切な等級が認定されると期待できる
被害者請求の流れを図解。具体的な症状や生活状況をもとに充実した申請ができれば、事前認定よりも適切な等級が認定されると期待できる

被害者請求は、相手方の保険会社ではなく被害者自身や被害者が依頼した弁護士が申請を行うものです。書類の作成や資料の収集を被害者側で行わなければなりませんが、その分、実際の症状について適切な後遺障害が認定されるように十分に主張できます

複雑な手続きや多数の書類の作成が必要となるものの、対応を弁護士に依頼することで、被害者自身の負担を事前認定と変わらない程度に抑えることができます。

後遺障害の症状について最も詳しいのは、被害者自身と主治医です。具体的な症状や生活状況をもとに充実した申請ができれば、事前認定よりも適切な等級が認定されると期待できます。

事前認定と被害者請求のメリットとデメリット

メリット

デメリット

事前認定

被害者にとって手間が少ない

・資料が不足する可能性がある

・先払いができない

被害者請求

・被害者に有利な書類を用意でき、

適切な後遺障害等級が認定されやすい

・先払いが可能

・手続きの透明性が高い

・手間がかかる

・医療情報の入手に実費の立て替えが必要

(ただし、弁護士費用特約からの補填や、自賠責保険への実費請求が可能)

5. 事前認定と被害者請求はどちらを選ぶべき?

後遺障害の等級認定は、医療と法律のどちらにも関わるきわめて専門的な手続きです。そのため、被害者自身で適切に進めることは非常に困難です。被害者から依頼を受けた弁護士が被害者請求を進めるケースが一般的であり、最もよい結果が得られます

一方で「結果にはこだわらず、手間なく早期に示談をまとめたい」と考えるのであれば、相手方の保険会社に事前認定を進めてもらうことも選択肢の一つです。

6. 事前認定をやめて、被害者請求へ切り替えるタイミングと手順

相手方の保険会社と事前認定をする方向で話を進めていたものの、途中から弁護士に依頼して被害者請求での対応に切り替えることも可能です。その場合、次のようなタイミングで切り替え、被害者請求の手続きを進めます。

6-1. 切り替えるなら、後遺障害診断書の提出前に

被害者請求への切り替えはいつでも可能です。ただし、相手方の保険会社がすでに事前認定の申請を出した場合には、事前認定の結果を待たなければならないケースもあります。そのため「後遺障害診断書を相手方の保険会社に提出する前」が切り替えの目安です。

6-2. 被害者請求の具体的な流れと手順

被害者請求を選択した場合、以下の図のような流れで手続きを進めます。

被害者請求の流れを図解。加害者の自賠責保険会社に申請書類を提出する
被害者請求の流れを図解。加害者の自賠責保険会社に申請書類を提出する

【STEP1】医師から後遺障害診断書を受け取る
主治医に後遺障害診断書の作成を依頼します。主治医は医療のプロフェッショナルですが、法律の専門家ではありません。具体的な症状や検査結果から予想される後遺障害等級が認定されるために必要な診断や検査の記載が漏れているケースもあります。

後遺障害診断書を弁護士が確認し、漏れがある場合には、弁護士が主治医とコミュニケーションをとって診断書に記載が必要な事柄を協議したり、追加の検査を依頼したりするケースもあります。

【STEP2】その他の申請書類を作成する
後遺障害申請について申請書などの必要な書類を作成します。弁護士が代理人として対応を進めている場合、被害者の印鑑登録証明書や委任状などの用意も必要です。

【STEP3】加害者の自賠責保険会社に申請書類を提出する
書類の準備が完了すれば、書類の提出を行います。提出先は加害者の自賠責保険会社であり、任意保険会社ではない点に注意が必要です。自賠責保険会社と任意保険会社は別の保険会社である場合も多く、たまたま同じ保険会社であった場合でも別の窓口に提出が必要です。加害者の自賠責保険会社の名称については、交通事故証明書の記載内容を確認してください。

【STEP4】保険会社から損害保険料率算出機構に申請書類が回付される
提出書類の不足や形式面の問題がなければ、自賠責保険会社が損害保険料率算出機構に申請書類一式を回付してくれます。

【STEP5】損害保険料率算出機構から保険会社に審査結果が通知される
審査結果は、事前認定の場合と同様、被害者に直接知らされるのではなく一度保険会社を経由します。

【STEP6】保険会社から被害者に審査結果が通知される
保険会社が損害保険料率算出機構から審査結果を受け取った場合、数日から1週間程度で被害者に結果が通知されます。

7. 事前認定の結果に納得できない場合の対処法

事前認定の結果に納得できない場合、安易に同意して示談を進めることは避けたほうがよいでしょう。事前認定の結果は絶対に変えられないものではありません。次の4つの対処法を検討することをお勧めします。

  • まずは被害者請求で再申請する

  • 損害保険料率算出機構に異議申立てを行う

  • 自賠責保険・共済紛争処理機構の紛争処理制度を利用する

  • 損害賠償請求訴訟を起こす

7-1. まずは被害者請求で再申請する

被害者側であらためて申請書類を見直し、被害者請求のかたちで再申請を行うのが最も適切です。「一度事前認定の結果が出てしまっているのだから、あらためて被害者請求はできないのでは?」と思うかもしれませんが、そのような制限はありません。

事前認定の審査結果には、結論の理由が記載されています。理由を分析することで、どのような資料や主張が足りなかったのか、あるいは追加の検査によって結果が変わる余地があるのかが見えてくる場合があります。事前認定の結論の理由をしっかり確認し、適切な被害者請求となるように準備しましょう。

7-2. 損害保険料率算出機構に異議申立てを行う

被害者請求においても望む結果が得られなかった場合には、損害保険料率算出機構に対して異議を申し立てる方法があります。異議申立てでは、追加の資料や検査結果を提出して被害者請求の結論について判断のやり直しを求めることになります。

異議申立ての結果がわかるまでには、通常のケースでは2カ月から4カ月程度の時間がかかります。また、認定結果が変更されるのは全体の10%前後と、狭き門であることに変わりはありません。

7-3. 自賠責保険・共済紛争処理機構の紛争処理制度を利用する

異議申立てによっても結果が変わらなかった場合、「一般社団法人 自賠責保険・共済紛争処理機構」の紛争処理制度を利用することを検討しましょう。

これは、弁護士や医師などで構成される紛争処理委員が中立的な立場から結論が適切かどうかを判断してくれるものです。審査費用は原則無料で、経済的な負担が少ないこともメリットの一つです。結果は、調停文書というかたちで提供されます。保険会社は紛争処理制度の結果に従う法的な義務があるため、納得できる結果となった場合はその後の交渉がスムーズに進みます

7-4. 損害賠償請求訴訟を起こす

紛争処理制度の結果にも不満がある場合には、裁判所に民事訴訟を起こすことになります。損害保険料率算出機構の審査結果や自賠責保険・共済紛争処理機構の調停結果にかかわらず、裁判所は法律の観点から最終的な判断をしてくれます。もちろん、裁判で有利な結果を得るためには、十分な証拠と裁判官を納得させられるだけの説得的な主張が必要です。

8. 後遺障害等級認定の申請について、弁護士に相談や依頼をするメリット

後遺障害等級認定の申請について弁護士に相談や依頼をすることには、いくつかのメリットがあります。

まず、弁護士が代理人として対応をすることで、複雑な書類の作成や多数の資料の収集から解放されます。被害者にとっては、相手方の保険会社に事前認定を行ってもらうのと変わらない手間で、より充実した申請が可能となります。

また、後遺障害等級認定において医師が作成した後遺障害診断書の記載内容は非常に重要です。後遺障害申請は法律的な問題がからむ分野ですが、必ずしも医師が法律に精通しているとは限りません。そのため、認定のために必要な情報を医師が十分に記載していないケースもあります。弁護士が後遺障害診断書の内容をチェックし、記載不足に気づいた場合は、医師とコミュニケーションをとって記載を追加してもらうこともできます

後遺障害等級の認定結果に不満がある場合も、引き続き異議申立てや紛争処理制度の手続きについて弁護士が代理人として対応できます。

さらに、後遺障害等級が認定されたあとの示談交渉は賠償金の金額に直結する最も重要なものです。相手方の保険会社は「任意保険基準」と呼ばれる保険会社独自の基準で賠償金を計算して提案してきます。しかし、この金額は実際の損害額よりも低いケースがほとんどです。示談交渉を弁護士が対応すれば、過去の判例に基づく「弁護士基準(裁判所基準)」で算定・交渉でき、賠償金の増額が期待できます

交通事故の損害賠償における3つの基準を図解。任意保険基準と弁護士基準の差が大きいケースも少なくない
交通事故の損害賠償における3つの基準を図解。任意保険基準と弁護士基準の差が大きいケースも少なくない

被害者本人や被害者の家族が「弁護士費用特約」の付帯する自動車保険を契約している場合、多くのケースで弁護士費用の自己負担なく、あるいは少ない自己負担で弁護士への相談や依頼ができます。弁護士への相談や依頼を検討している場合は、加入する保険に弁護士費用特約がついているかどうかを確認してください。

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9. 事前認定に関してよくある質問

Q. 被害者が意思表示しない限り、事前認定が申請されてしまう?

相手方の保険会社が被害者の意向を無視して勝手に事前認定を進めることはありません。特に、事前認定の手続きには被害者が医師から受け取る後遺障害診断書が必須です。後遺障害診断書を提出しなければ事前認定の手続きが進むこともありません。

Q. 被害者にも過失がある場合、事前認定の後遺障害等級に影響する?

事故の発生について被害者にも落ち度(過失)がある場合でも、後遺障害の等級に影響は及びません。後遺障害等級はあくまでも交通事故によって負傷した人に何らかの後遺症が残った場合の症状そのものについて判断するものであるためです。

Q. 後遺障害等級の認定を受けたあと、症状が変化した場合は再申請できる?

一度後遺障害等級の認定を受けていたとしても、その後症状が変化した場合、あらためて後遺障害の申請をやり直すことが可能です。

10. まとめ 交通事故の後遺障害等級認定の申請は被害者請求のほうが有利となるケースも

交通事故により後遺症が残った場合の後遺障害等級認定の申請方法には「事前認定」と「被害者請求」の2種類があります。相手方の保険会社に手続きを任せられる事前認定では被害者の手間が少なくて済みますが、必ずしも適切な後遺障害等級が認定されるとは限りません。被害者自身または代理人の弁護士が手続きを行う被害者請求のほうが有利となるケースも多いです。

筆者の法律事務所でも、ごくまれに「自分で被害者請求をして後遺障害等級の認定を得たが、納得のいく結果ではなかった」「後遺障害等級が認定されたのに、示談交渉で相手方の保険会社から提示された慰謝料が低い」といった相談を受けます。自身で被害者請求をすることは簡単ではなく、結局弁護士への相談や依頼が必要となるケースがほとんどです。

交通事故の被害に遭い、後遺障害が残った場合、後遺障害等級認定は賠償額を左右する大きな要素となります。もっとも、後遺障害等級認定はゴールではなく最終的な示談成立までの間の通過点でしかありません。示談の際にはやはり弁護士が弁護士基準で算定して請求することが最も適切な結果につながります。

最大限の結果を得るためには弁護士への依頼が必要です。後遺障害認定について悩んでいる場合は、早い段階で交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。

(記事は2026年5月1日時点の情報に基づいています)

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この記事を書いた人

磯田直也(弁護士)

磯田直也(弁護士)

ルーセント法律事務所 代表弁護士
大阪大学大学院高等司法研究科修了。兵庫県弁護士会所属。登録番号59517。関西の複数の法律事務所でジュニアパートナーや支店長を務めたあと、ルーセント法律事務所を開設。交通事故に関しては物損のみの軽微な事案から、高次脳機能障害など重い障害が残ってしまった重大事故、加害者側の刑事事件まで幅広く取り扱っている。近時では弁護士会や保険会社からの弁護士紹介を通じた依頼も増加中。弁護士業のかたわら、趣味の創作やクリエイター業での活動も行う。コンサルティング会社役員や一般社団法人推理作家協会サポートロイヤーなど。
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