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1. 交通事故の発生原因ランキング|多い原因トップ10を紹介
警察庁は、日本全国で発生した交通事故に関する統計資料を公表しています。そのデータによれば、令和7年(2025年)に発生した自動車・自動二輪車・一般原動機付自転車の交通事故において、当事者のうち最も過失の重い者に認められた交通ルール違反は、次に挙げるものが多数となっています。
1位|安全不確認(8万0986件)
2位|脇見運転(3万1609件)
3位|動静不注視(2万3781件)
4位|漫然運転(2万2854件)
5位|交差点安全進行義務違反(1万9517件)
6位|運転操作不適(1万7109件)
7位|一時不停止(1万4369件)
8位|歩行者妨害等(1万1022件)
9位|信号無視(1万0900件)
10位|優先通行妨害(8461件)
1-1. 1位|安全不確認(8万0986件)
交通事故で最も多い原因は「安全不確認」です。
安全不確認とは、徐行や一時停止をしていても、周囲の状況を十分に確認せずに進行した結果、相手の発見が遅れて事故に至ることをいいます。わずかな気の緩みで最終確認を怠ると、重大な事故につながるおそれがあります。
1-2. 2位|脇見運転(3万1609件)
「脇見運転」とは、進行方向の前方から目を離した状態で運転することです。側面の景色に気を取られたり、車内で探し物をしたりした際に脇見運転の状態となり、事故を起こしてしまうケースがあります。
1-3. 3位|動静不注視(2万3781件)
「動静不注視」とは、相手の存在を認識していながら、その動きへの注意を怠ることをいいます。たとえば、歩道を通行している歩行者を認識しながら側方を通過しようとしたところ、歩行者がにわかにふらつき、それを避けきれずに事故を起こした場合は動静不注視となります。
1-4. 4位|漫然運転(2万2854件)
「漫然運転」とは、前方を見ているものの、注意力が散漫な状態で運転していることを意味します。
漫然運転の状態では、前方車や走路付近を通行する歩行者の急な動きを察知することが難しく、事故を起こしてしまいやすいです。
1-5. 5位|交差点安全進行義務違反(1万9517件)
「交差点安全進行義務違反」とは、交差点への進入時または交差点内の通行時において、できる限り安全な速度と方法で進行する義務を怠ることをいいます(道路交通法36条4項)。
交差点における進入時または通行時には、他の車両等や横断する歩行者に注意して、必要に応じて減速や停止をするなど慎重に運転しなければなりません。こうした注意を怠ると、事故を起こすリスクが高まります。
1-6. 6位|運転操作不適(1万7109件)
「運転操作不適」とは、危険を認識してそれに対処しようとしたものの、操作ミスなどにより事故に至ることをいいます。
高齢や疲労などによって判断能力が低下している場合や、高速度などの余裕がない状態で運転している場合は、運転操作不適による事故のリスクが高まります。
1-7. 7位|一時不停止(1万4369件)
「一時不停止」とは、一時停止しなければならない場所で停止しなかったことを意味します。
道路標識等によって一時停止が指定されているときは、停止線の直前(停止線がない場合は交差点の直前)で一時停止しなければなりません(道路交通法43条)。一時停止の義務を怠ると、交差道路を通行する他の車両や歩行者と出会い頭に衝突してしまうおそれがあります。
1-8. 8位|歩行者妨害等(1万1022件)
「歩行者妨害等」とは、横断歩道を渡ろうとする歩行者などの通行を妨げることをいいます。横断歩道では歩行者を優先しなければならず、一時停止や減速を怠ると重大事故につながるおそれがあります。
1-9. 9位|信号無視(1万900件)
「信号無視」とは、信号機の表示する信号または警察官等の手信号等に従わないことを意味します。
赤信号進入はもちろん、安全に停止できる状況での黄信号進入も違反となり、交差点事故の原因となります。
信号無視は、交差道路を通行する他の車両等や、交差点を横断する歩行者と衝突する可能性を高めるきわめて危険な行為です。
1-10. 10位|優先通行妨害(8461件)
「優先通行妨害」とは、優先道路を通行する車両の進行を妨げることをいいます。優先関係を無視して交差点に進入すると、出会い頭の衝突事故が発生しやすくなります。
2. 近年の交通事故の発生傾向分析
行政機関や公益法人が公表している統計データに基づき、近年の交通事故の発生傾向を解説します。
2-1. 交通事故件数の推移
警察庁の統計によると、令和7年(2025年)における日本全国の交通事故発生件数は28万7023件です。平成16年(2004年)の95万2720件をピークとして、翌年から21年連続で減少しています。
また、令和7年(2025年)における交通事故による死者数は2547人でした。死者数も平成5年(1993年)以降は一貫して減少傾向にあり、ピークだった昭和45年(1970年)の1万6765人からは6分の1未満となっています。
事故件数や死者数が減少した背景には、交通ルールの周知や道路環境の整備、車両を制御する技術の発達などがあると考えられます。
2-2. 死亡事故が発生しやすい場所
公益財団法人交通事故総合分析センターの統計によると、令和5年(2023年)の道路形状別交通事故発生状況では、交差点での事故が43.4%を占めています。交差点付近を含めると、全体件数に対する割合は57.4%に上ります。
その一方で、死亡事故については単路(=交差点・交差点付近・踏切・一般交通の場所以外の道路の部分)での事故が全体の46.8%を占めています。単路にはトンネルやカーブなどが含まれており、高速度で通行する車両同士の衝突が多く発生するため、死亡事故のリスクが高いと考えられます。
2-3. 死亡につながりやすい交通事故の特徴
公益財団法人交通事故総合分析センターの統計によると、令和5年(2023年)の事故類型別交通事故発生状況では、車同士の事故が全体の8割以上を占めています。他方で、人対車両の事故は全体の12.8%ですが、死亡事故に限ると35.2%を占めています。交通弱者である歩行者は、事故に巻き込まれると死亡するリスクが高いことが分かります。
3. 特に交通事故につながりやすい3つの要因
交通事故につながりやすい主な要因としては、人為的なミスや不注意、車両の整備不良、道路環境などが挙げられます。
3-1. 人為的なミスや不注意
交通ルールの無視や理解不足、注意力散漫などによる運転操作のミスなどは、交通事故の最も主要な原因と言えます。事故を予防するためには、交通ルールを正しく理解し、体調を整えたうえで慎重に運転しなければなりません。
3-2. 車両の整備不良
運転する車両の整備がきちんと行われていないと、ブレーキが利きにくい、ライトがつかないなど、交通事故につながる不具合な挙動が発生しやすくなります。車検を通すことに加えて、日常的にも車両がきちんと整備されているかを確認するように努めましょう。
3-3. 道路環境
見通しの悪い交差点や急カーブ、夜間や雨天時などにおいては、交通事故のリスクが高いことが知られています。道路環境が悪い状況で運転せざるを得ない場合は、普段にも増して慎重に運転するよう努めてください。
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4. 【重要】交通事故の「原因」は「過失割合」にどう影響する?
交通事故における「過失割合」とは、当事者それぞれにどの程度の責任があるかを示す割合です。被害者が請求できる賠償金の額は、被害者の過失割合に応じて減額されます。
たとえば損害額が1000万円だとしても、被害者に2割の過失がある場合は、損害の8割に相当する800万円しか請求できません。過失割合は賠償金の額に大きな影響を与えるので、適切な過失割合を主張することが大切です。
過失割合は、基本過失割合に修正要素を加味することによって決まります。
【基本過失割合】
事故の客観的な状況の類型に応じて定まる、原則的な過失割合です。たとえば、交差点における赤信号車と青信号車の衝突事故の場合は「100(赤信号車): 0(青信号車)」となります。
【修正要素】
個々の事故において見られる具体的な事情であって、過失割合に反映すべきものです。たとえば、事故について著しい過失がある側は10%程度、重過失がある側は20%程度が加算されます。
交通事故の原因は、その内容によって、基本過失割合または修正要素のいずれかに影響します。たとえば、信号無視は事故類型そのものに関わるため、基本過失割合に影響します。一方で、安全不確認や脇見運転、動静不注視、漫然運転などは「著しい過失」や「重過失」として、修正要素に影響を及ぼすことがあります。
事故原因を含めたさまざまな事情を総合的に踏まえ、適切な過失割合を導くことが重要です。
5. 保険会社が主張する事故原因に納得がいかない場合の対処法
事故の原因については、被害者と加害者側の保険会社の間で、主張が食い違うケースが少なくありません。たとえば、信号の色や走行速度などをめぐって争いになるケースはよく見られます。
相手の保険会社が主張する事故原因に納得できないときは、客観的な証拠に基づいて反論することが大切です。たとえば、次に挙げる証拠などが有効となります。
ドライブレコーダーの映像
防犯カメラの映像
警察官が作成する実況見分調書
事故状況に関する科学的な調査、検証の結果
目撃者がいる場合は、その証言も事故原因の立証に役立つことがあります。正しい事故原因を主張するため、弁護士と相談しながら幅広い方法を検討してください。
6. 交通事故の当事者になってしまったとき、弁護士に相談するメリット
交通事故の当事者になってしまったら、被害者・加害者のどちらでも弁護士に相談することをおすすめします。弁護士費用特約を利用すれば、自己負担ゼロまたは少額の負担で弁護士に依頼できます。
6-1. 交通事故の被害者が弁護士に相談するメリット
交通事故の被害者は、加害者側に対して損害賠償を請求できます。適正額の賠償金を得るには、弁護士のサポートが欠かせません。被害者が弁護士に依頼すると、以下のサポートなどを受けられます。
損害の把握、金額の算定
事故の状況や原因に応じた過失割合の算定
後遺障害等級認定の申請(後遺症が残った場合)
保険会社との示談交渉
ADR(裁判外紛争解決手続)の申立て
訴訟の提起
特に事故の原因について加害者側と主張が対立しているときは、さまざまな資料に基づいて被害者側の主張を裏付けることが求められます。
弁護士は刑事記録などを取り寄せたうえで事故の原因を分析し、適切な過失割合に基づいて損害賠償を請求します。弁護士の的確な対応により、賠償金の増額が期待できます。
6-2. 交通事故の加害者が弁護士に相談するメリット
交通事故の加害者も、以下のような状況にある場合は、速やかに弁護士へ相談してください。
・任意保険に加入しておらず、賠償金を自分で支払わなければならない
・重大な事故を起こしてしまい、警察や検察に取り調べを求められている
多額の賠償金を支払うことになったり、起訴されて有罪判決を受けたりすると、生活に多大な悪影響が及びます。できる限り穏便に事態を収拾するため、早期に弁護士へ相談することが大切です。
7. 効果的な交通事故の防止対策は?
交通事故を防ぐには、日頃から原因やリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。ここでは、実践しやすい主な対策を紹介します。
7-1. よくある交通事故の原因とパターンを知っておく
多発している交通事故の原因やパターンを知っておくと、危険を予測した運転が可能になります。運転免許更新時の講習や、警察庁の統計資料などを参考に、最新の事故傾向を把握しておきましょう。
7-2. 安全運転を徹底する意識を持つ
交通事故はきわめて重大な事態を招くため、常に慎重な運転が求められます。交通ルールを正しく理解し、「絶対に交通事故を起こさない」という意識で安全運転を徹底しましょう。
7-3. 車検などのメンテナンスを欠かさず行う
自動車の運転者は、新車登録から3年後、およびその後は2年ごとに継続検査(いわゆる「車検」)を受けなければなりません。
ただし、車検は必要最小限のチェックをするものに過ぎず、運転者は日常の点検や整備もきちんと行うことが求められます。たとえば次のような点検・整備を欠かさず行い、事故のリスクをできる限り防ぎましょう。
エンジンオイルの汚れや液量の確認
バッテリーの液量の確認
ブレーキディスクの摩耗や損傷の確認
トランスミッションオイルの汚れや液量の確認
7-4. 悪天候時の運転を避けるか、対策を徹底する
雨や雪などの悪天候時は交通事故のリスクが高いため、できる限り運転を避けるべきです。やむを得ず運転する場合は、普段よりも速度を落として運転する、雪の場合はチェーンを装着するなどの対策を徹底しましょう。
7-5. 安全運転サポート車を利用する
近年では、自動ブレーキ機能などの安全運転を支援するシステムを搭載した車(=安全運転サポート車、サポカー)が普及しています。
安全運転サポート車のシステムは、人為的ミスによる交通事故のリスクを軽減するために役立ちます。できる限り事故を回避したいなら、安全運転サポート車の購入を検討しましょう。
7-6. 行政機関に対する交通事故防止対策の働きかけ
事故のリスクが高い場所においては、交通事故防止対策を自治体などに働きかけることも考えられます。
たとえば、見通しの悪い道路や交差点ではカーブミラーの設置、学校が近くにある場所ではスクールゾーンを設けるなどの対策が考えられます。身近に「危険だ」と感じる場所がある場合は、近隣住民と連携して自治体に伝えるなどの対応を検討しましょう。
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8. 交通事故の原因についてよくある質問
Q. 交通事故の人的要因とは?
交通事故の原因となる、運転者や歩行者の不注意や交通違反のことをいいます。たとえば、安全不確認・脇見運転・動静不注視・漫然運転などが人的要因に該当し、いずれも交通事故の原因の上位を占めています。
Q. 交通事故を起こしやすい人の特徴は?
運転経験が浅い人や、自分の運転技術を過信している人は事故を起こしやすい傾向にあります。また、疲労や加齢による判断力の低下もリスク要因です。
Q. 交通事故が起きやすいケースは?
見通しの悪い交差点や急カーブ、夜間や荒天時など、道路環境が悪い場合は交通事故が起きやすいです。また、疲労や加齢などによって判断能力が低下している場合も、交通事故のリスクが高まります。
9. まとめ 事故原因の理解と適切な過失割合の主張が、賠償額と事故防止の鍵になる
交通事故の原因は多くの場合、安全不確認・脇見運転・動静不注視・漫然運転などのヒューマンエラーです。運転者は交通ルールや事故のリスクを正しく理解し、できる限り安全運転に努めなければなりません。
もし交通事故の当事者となってしまったら、速やかに弁護士へ相談しましょう。被害者は損害賠償請求、加害者は刑事弁護などについてサポートを受けられます。よりよい形で交通事故トラブルを解決するため、弁護士と協力しながら対応してください。
(記事は2026年9月1日時点の情報に基づいています)
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