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1. 後遺障害6級とは?
後遺障害6級とは、交通事故によるけがが治療を続けても完治せず、日常生活や仕事に大きな支障が残った場合に認定される後遺障害等級の一つです。後遺障害等級は要介護1級・2級と介護を要しない1級から14級の16段階に分かれており、症状が重いほど等級の数字が小さくなります。
後遺障害6級の具体的な症状は、視力や聴力の著しい低下、脊髄損傷による運動障害、上肢や下肢の重大な機能障害などが該当します。今後の就労や生活に長期的な影響を及ぼすため、後遺障害慰謝料や逸失利益を含めた賠償額は高額になりやすく、等級認定の可否が将来の生活設計を大きく左右します。適正な等級認定を受けることが非常に重要です。
2. 後遺障害6級の主な症状と認定基準
次に、後遺障害6級に認定される症状について、具体的に説明します。
等級 | 内容 |
|---|---|
1号 | 両目の視力が0.1以下になった |
2号 | 咀嚼または言語の機能に著しい障害を残す |
3号 | 両耳の聴力が耳元で大声でなければ聞き取れない程度になった |
4号 | 片耳がほぼ聞こえず、 もう一方の耳も40cm以上の距離では普通の声を聞き取れない |
5号 | 脊柱に著しい変形または運動障害を残す |
6号 | 片腕の三大関節のうち2つの機能を失った |
7号 | 片脚の三大関節のうち2つの機能を失った |
8号 | 片手の親指を含む4本以上の手指を失った |
2-1. 6級1号|両目視力が0.1以下に低下
両眼の視力が、眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても0.1以下にとどまる場合に該当します。事故後一時的に視力が低下しても、治療や経過観察により改善する場合は認定されません。症状固定(これ以上治療を続けても改善が見込めないという診断)後も回復の見込みがないことが前提となり、複数回の視力検査結果の整合性や、事故との因果関係が厳しく確認されます。
2-2. 6級2号|咀嚼または言語の機能に著しい障害が残った
顎関節や舌、口腔周囲の損傷により、通常の食事が困難となったり、明瞭な発声ができなくなった場合が該当します。
具体的には「咀嚼機能の著しい障害」は、おじやなど粥食程度のものしか食べられない状態を指します。「言語機能の著しい障害」については、以下の4種類の語音のうち2種類が発音できない状態です。
口唇音:ま行、ぱ行、ば行、わ行、ふ
歯舌音:な行、た行、だ行、ら行、さ行、ざ行、しゅ、じゅ、し
口蓋音:か行、が行、や行、ひ、にゅ、ぎゅ、ん
咽頭音:は行
単に食べにくい、話しづらいという程度では足りず、日常生活に明確な支障が生じている必要があります。歯科医師や言語聴覚士の評価内容が重要となります。
2-3. 6級3号|両耳の聴力の大半を喪失
両耳ともに、通常の会話を十分に聞き取れない程度まで聴力が低下した場合に認定されます。
判断の基礎となるのは、オージオメーターによる純音聴力検査(どのくらい小さい音まで聞こえるか)の結果です。自覚症状のみでは認定されず、客観的な検査数値が必要となります。具体的には以下の数値に該当する場合に認定されます。
・両耳の平均純音聴力レベルが80dB以上90dB未満
・両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上80dB未満、かつ最高明瞭度が30%以下
90dBは犬の鳴き声、80dBは救急車のサイレン、50dBは静かなオフィス内の音などが該当します。なお、補聴器を装着しているかどうかは、等級判断の決定的な要素とはなりません。
2-4. 6級4号|片耳の聴力喪失+他耳の聴力低下
一方の耳がほぼ失聴状態となり、もう一方の耳にも高度の聴力低下が残った場合に認定されます。具体的には、以下の状態で認定されます。
・片耳の平均純音聴力レベルが90dB以上で、他の耳の平均純音聴力レベルが70dB以上
70dBはセミの鳴き声などが該当します。
4号では両耳の状態を総合的に評価し、日常生活や業務への影響が重視されます。聴力検査の結果に一貫性がない場合には、後遺障害として認められないこともあります。
2-5. 6級5号|脊柱に著しい変形または運動障害が残った
脊椎骨折や脊髄損傷などにより、脊柱に明らかな変形が残った場合や、体幹の可動域が著しく制限された場合に認定されます。「脊柱に著しい変形を残す」「脊柱に著しい運動障害を残す」の定義は、以下のとおりです。
【脊柱に著しい変形を残す】
X線写真、CT画像、MRIで脊椎圧迫骨折などを確認できることに加え、以下のいずれかに該当する状態。
・2個以上の椎体の前方椎体高が著しく減少し、後彎(こうわん)が生じている
・1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生じているうえ、コブ法による側弯度が50度以上になっている
簡単に言うと、背中が丸くなっている状態、もしくは丸くなったうえに横にも曲がっている状態です。
【脊柱に著しい運動障害を残す】
以下のいずれかにより、頸部と胸腰部が強直している状態。強直とは、脊椎が癒着して動かなくなることを指します。
・頸椎(首の骨)と胸腰椎(首の下から腰まで連なる背骨)の両方に脊椎圧迫骨折などが起こっていることが、X線写真などで確認できる
・頸椎と胸腰椎の両方で脊椎を固定する手術が行われた
・項背腰部軟部組織(首から腰にかけての骨以外の筋肉や神経など)に明らかな器質的変化(断裂や拘縮などの異常)が認められる
単なる腰痛や違和感では足りず、画像検査による器質的変化や、可動域制限の数値などによって客観的に確認される必要があります。
2-6. 6級6号|片腕の3大関節のうち2つの機能を喪失
肩関節、肘関節、手関節のうち2関節について、可動域が著しく制限され、実用的な動作がほぼ不可能な状態を指します。可動域測定は厳格に行われ、日によって数値が大きく異なる場合は否認されやすくなります。
2-7. 6級7号|片脚の3大関節のうち2つの機能を喪失
股関節、膝関節、足関節のうち2関節に著しい機能障害が残り、歩行や立位保持に重大な支障が生じている場合に該当します。杖や装具の使用状況、歩行能力の客観的評価も考慮されます。
2-8. 6級8号|親指を含む4本以上の手指を失った
片手について、親指を含む4本以上の指を失った場合に該当します。具体的には、4本の指が以下の状態になることを言います。
・手指を中手骨(手の甲にある骨)または基節骨(指の付け根側の骨)で切り離した
・親指の場合は指節間関節(指の先端側の関節)、他の指であれば近位指節間関節(指の先端側から2番目にある関節)において基節骨と中節骨を切り離した
外観上明確であり、把持や細かな作業が著しく制限されるため、重い後遺障害として評価されます。
2-9. 併合6級|複数の後遺症がある場合
単独では6級に達しない後遺症であっても、複数の障害を総合評価した結果、併合により6級と認定されることがあります。併合のルールは以下のとおりです。
・13級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある:重いほうの等級を1級繰り上げ
・8級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある :重いほうの等級を2級繰り上げ
・5級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある :重いほうの等級を3級繰り上げ
たとえば、一つの事故で8級の後遺症と10級の後遺症が残った場合、より重いほうの8級を1級繰り上げて「併合7級」が認定されます。
併合の判断は自動的に行われるものではなく、医学的資料の質と内容が結果を大きく左右します。
3. 後遺障害6級で請求できる慰謝料の相場
交通事故の慰謝料は、算定基準によって金額が大きく変わります。ここでは、後遺障害6級の場合に請求できる慰謝料の相場と、基準ごとの違いについて説明します。
3-1. 【重要】慰謝料の算定には3つの基準がある
交通事故の慰謝料には、自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士基準(裁判所基準)の3つの算定基準があります。
自賠責保険基準:法律で定められた最低限の補償水準であり、被害者救済を目的とする
任意保険基準:各保険会社が独自に用いる内部基準で、自賠責保険基準よりは高いものの、裁判例より低い
弁護士基準(裁判所基準):過去の裁判例をもとに算定される基準。3つの基準の中で最も高額となる
弁護士基準は、被害者が法的に請求できる正当な水準とされています。どの基準で交渉するかにより、最終的な賠償額は大きく異なります。
3-2. 後遺障害慰謝料の相場
後遺障害6級が認定された場合の後遺障害慰謝料は、基準によって大きな差があります。自賠責保険基準では、6級の後遺障害慰謝料は約512万円と定められています。一方、弁護士基準ではおおむね1180万円前後が相場とされており、自賠責基準と比べると倍以上の差が生じます。
自賠責保険基準 | 弁護士基準 |
|---|---|
512万円 | 1180万円 |
相手の保険会社が提示する慰謝料額は、上記の中間程度にとどまる任意保険基準で算定されていることが多いです。弁護士が介入しない場合、十分な増額が期待できないケースも少なくありません。
3-3. 入通院慰謝料の相場
入通院慰謝料は、治療期間や通院日数を基に算定されます。
【自賠責保険基準の場合】
自賠責保険基準では日額4300円を基礎に計算されるため、長期通院でも金額は限定的です。計算方法は以下のとおりです。
日額4300円×対象日数
※対象日数は「治療期間」または「実入通院日数×2」のいずれか少ないほう
たとえば、入院1カ月・通院6カ月(実通院日数60日)の場合、対象日数は治療期間(=210日)と実入通院日数×2(=180日)のうち少ないほうの180日が採用されます。したがって、入通院慰謝料額は「4300円×180日=77万4000円」です。
【弁護士基準の場合】
弁護士基準では、公益財団法人日弁連交通事故相談センターが発行する「赤い本」に記載されている早見表をもとに、入通院慰謝料額を算定します。
弁護士基準では入院・通院の実日数や期間を踏まえて算定され、たとえば半年から一年程度の通院であれば、数百万円規模となることもあります。後遺障害6級に該当する事故では治療期間が長期化しやすく、算定基準の違いが最終的な補償額に大きく影響します。
以下は、弁護士基準における入通院慰謝料の早見表(重傷用)です。
表の見方を説明します。たとえば、交通事故で重傷を負って1カ月入院した後、6カ月間通院した場合は、上の表の「入院期間1カ月」と「通院期間6カ月」が交差するマスの数字を見ます。「149」となっているため、この場合の入通院慰謝料額は149万円です。
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4. 後遺障害6級を認定された場合、慰謝料以外に請求できる賠償金の種類
後遺障害が認定された場合、慰謝料だけでなく、さまざまな損害について賠償を請求できます。ここでは、後遺障害6級で請求できる主な賠償項目を解説します。
4-1. 逸失利益|将来得られるはずだった収入への補償
逸失利益とは、後遺障害によって労働能力が低下した結果、本来であれば将来にわたり得られたはずの収入が失われることに対する補償です。
後遺障害6級の労働能力喪失率(後遺症によって働く能力がどの程度失われたかを示す割合)は67%とされており、就労自体が可能であっても、事故前と同程度の収入を維持できないことを前提として算定されます。
逸失利益は、次の式で計算されます。
事故前の年収 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
たとえば、年収600万円の会社員が45歳で症状固定(これ以上治療をしても改善が見込めない状態)となり、後遺障害6級と認定されたケースを考えます。労働能力喪失期間は原則として67歳までの22年間とされ、この場合のライプニッツ係数は約15.937です。
この条件で計算すると、逸失利益は以下のようになります。
600万円×0.67×15.937=約6406万円
もっとも、実際の金額は、職種や昇給の見込み、障害の内容、事故後の就労状況などを踏まえて調整されることもあります。後遺障害6級では、逸失利益が賠償金全体の中でも非常に大きな割合を占める点が重要です。
2025年に発表された「令和6年賃金構造基本統計調査」における平均年収に基づく男女別・年齢別の逸失利益の目安額は次のとおりです。なお、すべて弁護士基準で算出した金額です。
20歳 | 30歳 | 40歳 | 50歳 | 60歳 | |
|---|---|---|---|---|---|
男性 | 6009万円 | 7794万円 | 7869万円 | 6211万円 | 3549万円 |
女性 | 5605万円 | 6161万円 | 5462万円 | 4041万円 | 2541万円 |
4-2. 休業損害|けがで仕事を休んだ期間の減収補償
休業損害とは、交通事故によるけがの治療のために仕事を休み、実際に収入が減少した場合に補償される損害です。後遺障害6級に該当する事故では、長期間の通院や入院により就労が制限されることが多く、重要な賠償項目となります。
【自賠責保険基準の場合】
自賠責保険基準では、休業損害は原則として日額6100円(条件により最大1万9000円)を基礎に計算されます。実際の収入がこれを上回っていても、原則としてこの金額が上限となるため、十分な補償とはいえません。たとえば、年収600万円の会社員が90日間休業した場合、自賠責保険基準では「6100円×90日=約54万9000円」にとどまります。
【弁護士基準の場合】
弁護士基準では事故前の実収入を基礎に算定されます。年収600万円の場合、1日あたりの収入は約1万6400円となり、90日休業すれば「1万6400円×90日=約147万円」となります。
このように、同じ休業期間であっても基準の違いにより金額には大きな差が生じ、後遺障害6級のように休業期間が長期化しやすいケースでは、弁護士基準での請求が極めて重要になります。
4-3. その他|治療費、入院費、付添看護費など
後遺障害の損害賠償では、慰謝料や逸失利益のほか、次のような費用も請求対象となります。
治療費
入院費
通院交通費
付添看護費
入院雑費
また、症状が重い場合には、以下の費用が認められるケースもあります。
・自宅や職場の改修費
・将来の介護費用
これらの損害は個別事情によって認められる範囲が異なるため、請求漏れを防ぐには専門的な検討が重要です。
5. 後遺障害6級の賠償金は、総額でいくら?
後遺障害6級が認定された場合、慰謝料や逸失利益などを含めた賠償額は高額になる傾向があります。実際の金額は事故状況や被害者の収入、年齢、過失割合などによって異なりますが、数千万円規模に達するケースも少なくありません。
弁護士基準を前提とすると、後遺障害慰謝料の目安は1180万円とされています。これに加えて、入通院慰謝料が数百万円、休業損害が数十万円から数百万円程度発生することがあります。
さらに、労働能力喪失率67%を前提とした逸失利益は高額となりやすく、被害者が40代で年収500万円程度の場合でも数千万円に達する可能性があります。これらを合算すると、賠償金総額が5000万円から1億円前後になるケースもあります。もっとも、どの算定基準を用いるか、どの程度の主張・立証ができるかによって金額は大きく変わります。
6. 後遺障害6級の認定を受けるための6つのポイント
後遺障害6級は重い等級であり、認定を受けるためには医学的な裏付けが不可欠です。事故後の対応や医療記録の内容によって、認定結果が大きく左右されることもあります。適正な等級認定を受けるために重要なポイントは、主に以下のとおりです。
医師の指示通りに治療を受ける
脊柱の障害については理学療法士の意見も重要
関節の可動域測定は適切な方法で行う
認定基準に沿った後遺障害診断書となっているか確認する
「被害者請求」で後遺障害の申請を行う
弁護士に依頼する
6-1. 医師の指示通りに治療を受ける
後遺障害6級の認定を受けるためには、事故直後から症状固定に至るまで、医師の指示に従って適切な治療を継続していることが重要です。自己判断で通院を中断したり、受診間隔が不自然に空いたりすると、症状の一貫性や継続性が否定され、等級認定に不利に働くおそれがあります。
6-2. 脊柱の障害については理学療法士の意見も重要
6級5号など脊柱や体幹の障害が問題となる場合、医師の診断に加え、理学療法士による評価内容が重要な資料となることがあります。日常動作や可動域、筋力低下の状況など、診察だけでは把握しきれない実態を補足できるため、認定の説得力が高まります。
6-3. 関節の可動域測定は適切な方法で行う
6級6号・7号などに該当する関節障害では、可動域測定の方法が極めて重要です。測定姿勢や測定回数が適切でないと、実際より軽い数値が記載され、6級に該当しないと判断されることがあります。測定結果が医学的に妥当かどうか、内容を確認する必要があります。
6-4. 認定基準に沿った後遺障害診断書となっているか確認する
医師が作成する後遺障害診断書は、認定結果を左右する最重要書類です。自覚症状だけでなく、他覚所見や検査結果が具体的に記載されているか、認定基準に対応した内容になっているかを確認することが不可欠です。
記載内容が不十分だと思われる場合は、弁護士を通じて医師に追加の記載や検査を依頼することも検討しましょう。
6-5. 「被害者請求」で後遺障害の申請を行う
後遺障害の申請方法には、加害者側の保険会社に任せる「事前認定」と、被害者自身が行う「被害者請求」の2つがあります。事前認定は手間がかからないものの、相手の保険会社が被害者側に有利な資料を提出してくれるとは限りません。
一方、被害者請求は提出資料を主体的にコントロールできるため、適正な等級認定を目指すうえで有利です。
6-6. 弁護士に依頼する
後遺障害6級の認定申請は専門性が高く、医学的・法的な主張立証が求められます。弁護士に依頼することで、認定資料の精査や不足資料の補強が可能となり、不当に低い等級が認定されるリスクを抑えることができます。
また、等級認定後の示談交渉を依頼すると、弁護士基準で賠償金を算定して相手方と交渉してくれるため、賠償金の増額が望めます。
7. 後遺障害認定の申請と賠償金請求の流れ
後遺障害6級の賠償金を受け取るためには、後遺障害等級認定の申請を行い、その結果を踏まえて賠償金請求の手続きを進める必要があります。ここでは、事故後から賠償金を受け取るまでの一般的な流れを解説します。
7-1. 医師の指示に従い、症状固定まで通院を続ける
交通事故後は、医師の指示に従い継続的に治療と通院を行い、症状がこれ以上改善しないと判断される「症状固定」まで治療を続けることが重要です。通院頻度が極端に少なかったり、自己判断で通院を中断したりすると、症状の継続性や事故との因果関係が否定され、後遺障害認定に不利となるおそれがあります。
7-2. 医師に後遺障害診断書を作成してもらう
症状固定後、主治医に後遺障害診断書を作成してもらいます。この診断書は等級認定の可否を左右する最重要書類であり、自覚症状だけでなく、検査結果や他覚所見、日常生活や就労への影響が具体的に記載されているかが重要です。
7-3. 後遺障害等級認定を申請する
後遺障害等級認定は、自賠責保険会社に対して申請します。申請方法には、加害者側の保険会社に任せる「事前認定」と、被害者自身が資料を整えて行う「被害者請求」の2つがあります。被害者請求を選択することで、提出資料を主体的に管理でき、適正な等級認定を受けやすくなります。
7-4. 事故の相手側と示談交渉を行う
後遺障害等級が確定すると、加害者側の保険会社と賠償金額について示談交渉を行います。保険会社は自賠責保険基準や任意保険基準を前提に提示することが多く、弁護士基準より低い金額となるケースも少なくありません。そのため、提示内容を十分に確認することが重要です。
弁護士に依頼することで弁護士基準での算定・交渉が可能となり、賠償金の増額が目指せます。
7-5. 示談が成立しない場合は、ADRや訴訟
示談交渉で合意に至らない場合には、交通事故紛争処理センターなどのADR(裁判外紛争解決手続)を利用したり、訴訟を提起したりして解決を図ります。第三者機関を通じて判断を受けることで、適正な賠償額が認められる可能性があります。
7-6. 事故の賠償金を受け取る
示談や裁判で解決した後、合意内容に基づき賠償金が支払われます。支払いが完了すれば、一連の手続きは終了となります。
8. 後遺障害6級の被害者が、賠償金以外に受けられる支援や給付は?
後遺障害6級が認定された場合、交通事故の賠償金とは別に、公的制度による支援や給付を受けられる可能性があります。
代表的な制度として挙げられるのが障害年金です。後遺障害の内容が国民年金や厚生年金の障害等級に該当すれば、障害基礎年金または障害厚生年金が支給され、症状が続く限り継続的な収入を得ることができます。
また、事故が通勤中や業務中に発生した場合には、労災保険から休業補償給付や障害補償給付が支給されることがあります。これらの給付は、加害者に対する損害賠償とは別枠で受け取ることができます。
さらに、自治体によっては医療費助成や各種福祉サービスを利用できる場合もあります。利用できる制度は地域や状況によって異なるため、早い段階で確認しておくことが大切です。
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9. 後遺障害6級についてよくある質問
Q. 後遺障害6級の認定後、事故前と同じように仕事ができていたら、逸失利益や後遺障害慰謝料は請求できない?
事故前と同様に就労できている場合でも、請求できないわけではありません。後遺障害慰謝料は等級認定に基づいて支払われるものであり、実収入の減少がなくても請求可能です。逸失利益についても、将来的な昇給の制限や業務内容の制約など、労働能力の低下が認められれば請求できる余地があります。
Q. 後遺障害6級の認定を受けられなかった場合はどうすべき?
認定されなかった場合でも、異議申立てにより再度審査を求めることができます。診断書や検査資料を補充し、認定基準との整合性を整理することが重要であり、専門家に相談することで認定が覆るケースもあります。
10. まとめ 後遺障害6級に認定された場合、賠償金が数千万円にのぼる可能性がある
後遺障害6級は、交通事故によって身体機能に重大な障害が残った場合に認定される等級であり、慰謝料や逸失利益などを含めた賠償金は高額になる傾向があります。特に逸失利益は賠償額のなかでも大きな割合を占めるため、算定基準や立証内容によって最終的な金額に大きな差が生じます。
また、適正な等級認定を受けるためには、事故後の治療経過や診断書の内容、提出資料の整備などが重要です。後遺障害6級に該当する可能性がある場合には、制度や手続きの流れを正しく理解し、必要に応じて専門家に相談しながら適切に対応することが大切です。
(記事は2026年6月1日時点の情報に基づいています)
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